
ロック・アルリックの村を支えている岩山が前面に見え、その奥、左側には鉄斎の蓬莱山を思わせるような容姿、右側には横たわっている巨大な恐竜の背中のような岩が続いているのこぎり山、この二つを合わせた構成で横長の特寸サイズの油彩を描いてみた。
いつもはロック・アルリックの村を主題とした作品、のこぎり山を取り入れた作品と、二つ別々の主題で描いているのだが、先日仕上がったロック・アルリックを描いている途中でこの構図を思いついたのである。
非常に扱いにくい対象物ではあるが、とにかくのこぎり山の画面左から右下に向かってゆく動きに焦点を当てて描いたものである。岩であるとか建物などと言う感覚はほとんど起こらず、恐竜の背中が右下に流れてゆくことだけを念願した。そういった中では特に左下にある家などはほとんど描かないように気をつけた。この辺りにとどく視線は出来るだけ軽くしたいものである。
一応の意図は遂行できたと思う。もしこの次に同じような構図を考えるならもっと抽象化、様式化されたものを目指して描いてみたくなるだろう。これはこの一枚に限らず、自分の絵画全体に対しても理想として持っている考えである。
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