
F20号に松の木を主題に選び、その周りに垣間見られる家々を配した風景画を描いてみた。趣旨はごく単純で、画面向かって左の松の木の形が面白く、その右にまだ若い松がスラット立っているだけのもので、とくに枝ぶりがどうとか、色彩的な変化が面白いということでもなかった。
ただ全体の存在感が強いということに魅かれたのだと思う。奥に見える家々もそれほど特色のあるものではないが、眼を休ませるための色彩の抜けに利用するのに役立った。
描き始めは大変にスムーズで軽やかなリズムの制作が続き、あれよあれよという間に仕上がるのかと思われたのが、きゅうにパッタリと筆が止まってしまった。なんだか全体が重くなり始めたのである、
単純な主題だけに何か全体が平板で、それを打ち破ろうと手を加えるのがいかにも嘘っぽく映ってくるのだった。辛抱してかなり続けてはみたが悪あがきが重なり、色彩もどんよりしがちになってきた。ほとんど放棄するつもりで半年以上もそのままにしておいたのだが最近になって他の制作に引きずられて再加筆し出した次第である。
うまくいったと思う。何の変哲もない作品に見えるかもしれないが、これは今までの制作作品とは違ったものになってきていると確信している。この辺りの松は以前から連作を考えていたのでおそらく来年の夏ころには違った答が出せるのではないかと思っている.
二つの松があなたと私、といった感じでフランス語のトワ エ モワという題にした。
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