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オリーブの畑から

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F12号のキャンバスにいつものオリーブ畑の場所、サン・ピエール。ヴァッソルの村が遠くに見えている風景をまた描いてみた。オリーブの畑はプロヴァンスの野には至る所にあるが、いざ制作しようと思うとどうもこの場所が一番描きやすいように思う。

オリーブも周りの景色との取り合わせで面白みが違うだろうが、ここの傾斜は大きくヴォークリューズの平野や山並をとりこんでいけるので、のびやかな感じがして好きである。オリーブの間から見えるサン・ピエール・ヴァッソルの教会などもアクセントになってくる。

この絵を描いている途中、うしろの別のオリーブ畑の持ち主がちょっと挨拶に来てくれた。ゆっくり良いを描いてください、と言ってくれてからオリーブの枝の剪定を始め出した。若い二人の男女を連れてきている。どうやら農業の実習生らしい。選定の仕方を丁寧に教えながら肥料のこと、季節のこと害虫やその他の昆虫のことなど詳しく教えている様子である。専門的な言葉はわからないが、たとえば農薬の事でも、この農薬はヨーロッパ全体で禁止されているが現在フランスだけではみとめられている、しかし三年後にはフランスでも禁止されることになっていて、その時にはかわりにこの農薬を使うことになる、などいちいち詳しく教えながら剪定もさせている。

生きた現場での教育とはこういうものだと思ったのである。現在フランスでは教育、就職、住居のことなどで大きなデモの動きがある。テレビでみていても政府の見解はいつまでたっても理屈ばかりが先立って、国民を納得させるような実際的な動きがない。そんな時にこのオリーブ畑での実習は実に鮮やかな印象を与えてくれた。


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by papasanmazan | 2016-04-29 17:04 | 風景画 | Comments(0)
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