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シオタ風景

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八日間の滞在で、午前はシオタ、午後はカシィと、二つの風景を描き分けた。シオタは前回とほぼ同じ場所で、手前の松を通して見える地中海とシオタの突き出た海岸の風景である。どうも海岸の先端にみえるクレーンなどが工業地ぽくってあまり気乗りがせず、ついつい手前の松でおおいたくなってしまう。

晴れた日の地中海の色は深くて美しい青色である。ところどころがエメラルドグリーンのような色にもなる。しかしそのままの色を画面に持ってくると海の部分だけが落ち込んでしまう。この辺りは相当に気をつけて検色してかからなければならない。

これがたんに実景を写していくのではないところである。また写真との違いでもある。特に画面上でヴァルールの正しさを求められるのもここの問題を解決せんがためである。ヴァルールについて正しく理解できているかどうかは大変に重要なところで、特に近代以降の絵画では意識的な問題になってくる。



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by papasanmazan | 2016-04-15 19:57 | 風景画 | Comments(2)
Commented by みみずく at 2016-04-18 17:35
目の前に広がる景色を一度脳で昇華され、新たにキャンバスに再現されていく。我々が拝見しているのは画伯の世界そのものだ。それにしてもすごいと思うのは、一度目よりは二度目、二度目よりは三度目と素晴らしくなっていくのが素人目にもわかることだ!芸術の世界に終わりはないのだろうが、この先がまだあるのか、次が楽しみになってくる。
Commented by papasanmazan at 2016-04-20 17:49
みみずく さん、シオタ、カシィでの制作は来年の春の予定で、一応描く場所も決めています。今年の秋にはサン・トロッペを予約して、こちらも下見をして、制作予定は出来ています。年に二度の海岸風景は本当にいい勉強になり、作品の幅も広がるような気がしています。
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