石切り場の家

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ボーセからサン・ジャンまでの細い道に沿って石切り場がづっと続いている。石を切りだした跡があらあらしく残っていて、その崖の下や石切り場の中にまばらに民家がみえる。今どきのチャチな作りの家ではなく、見ようによっては切りだされた岩そのものの塊りのようにも感じられたりする。しかしここにも生活の場がある。

普通にいった感情というようなものではなく、なにか絶対的な存在がそこにある。存在そのものであってけっしてセンチメンタルな感情など入る余地がない。このような風景が以前から描きたかったが難しかった。これも普通に言って風景画というようなものに落ち着かせたくはなかったのである。

何度目かの挑戦でようやく少し自分の思うところに近づいたようである。F10号の縦型である。目の前に迫った風景で、春から夏、秋にかけては手前の木々が緑に覆われて対面する風景がさえぎられてしまう。冬の葉っぱのない時期を狙うしかない場所である。季節から言ってなにかシーンとさせられる。雪舟の秋冬山水の冬の図を思い浮かべたりもする。


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by papasanmazan | 2016-04-14 12:56 | 風景画 | Comments(2)
Commented by みみずく at 2016-04-18 16:50 x
ポイントを絞り、切り出した後の岩の美しさと空間が見事に表現されていて、まさに雪舟の秋冬山水図だ。的確なバルールが織りなす色彩の世界は画伯ならでは、素晴らしい作品だ。
Commented by papasanmazan at 2016-04-20 17:54
みみずくさん、この石切り場だけに限らず岩や岩山といったような荒々しいもの、それから赤土の森、といったような主題にいつもひかれてしまいます。もっと一般的な、人好きのするものも心がけねばならないのでしょうが、ついつい好きなものに目がいってしまいます。
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