赤い森と高い木

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今年になってから随分赤土の森での制作が増えている。同じような風景ばかりで曲もないのだが、まだまだ描いてみたいと思うところが見つかって、他人からするとまるで変質狂のように見えるかもしれないが、覚醒剤におぼれるよりかはましであろう。

この作品はP10号を縦型に使ったもので、高い木が何本も奥にそびえたっているようなところを絵にしたものである。この作品もかなり頭で整理しながら取捨選択をしながら描いた。全体的に乱雑に木が生えていて、実際にはこの絵のようには赤い岩と木々が構成されて見えている訳ではないのである。画面を作り上げるという観点を大切にして制作していった。

森で制作をしていると時々思い出すことが一つある。現在住んでいるプロヴァンスに越してくる前にエポンヌというパリ郊外の村に住んでいた時の話だが、家の近くの城跡が自然公園になっていて木立の多い深い森が広がっていた。あの頃はよくそこで制作したもので、お世話になった懐かしい森である。

あるときそこで絵を描いていると、若い男性が盛んに周りをうろついて、あちらの木を見たり、こちらで観察めいたように木を見上げたりしているのである。あまり気にしないようにしていたが時おりその人に目をやるととにかく木ばかりをみつめている。あまり風体も良くないので少しヒキ気味になっていたのだが、とうとうこっちにやってきて話しかけてくるのである。

自分は現在職を探しているのだが、自然の中の木が大好きである。本当に好きで、好きで,何か木に関係したような職はないものだろうかという話である。少し話しただけでもその人にウソはないと思った。何か非常に純粋なものを感じたのである。と言ってもこちらに相談の乗れるような話でもない、とにかく小さな村のことだからメリー{市役所}に行って相談してみたら、と勧めてみた。その後のことは知らないが、忘れられない森の制作の一こまである。


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by papasanmazan | 2016-03-23 17:48 | 風景画 | Comments(0)
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