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アトリエのトルソ

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F15号のキャンバスにいつものお気にいりのトルソを描いてみる。静物画を始める時の楽しみの一つはモモチーフの選択である。トルソを描くのは決まっているが、さて何を相方に選べばいいか。まずはテーブルとその置く位置である。ちょうど暖炉の前が構成していくのに都合がいい。

ちょうど奥のほうにムスチエの大きな花瓶が置いてある。テーブルの右端の輪郭線とこの花瓶の接線をうまく利用できないものか。テーブルの上に色彩の押さえがほしい。ザクロを数個選ぶ。垂直の要素がほしい。ローソクとローソク立てをもってくる。トルソ、花瓶、ローソクのそれぞれの白を何とか響き合わせさせたいものだ。

少し背景にも抑え気味だが色がほしい。薄いグリーンの柄の布を襞をつけながら配置する。このようにして制作に入る前にああでもない、こうでもないとかなりの時間を取る。これが大切なところで、いい加減なところで初めて、あとはどうにかなるだろうと思っていると大抵は失敗に終わってしまう。

まだまだ表現力をつけねばならないと思うが、この絵はこれからの作品を積み上げていく上で一つの指針になると思う。


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by papasanmazan | 2016-03-19 16:57 | 静物画 | Comments(3)
Commented by みみずく at 2016-03-21 23:08
複雑だが深みがあり見ごたえのある作品だ。トルソのためにセッティングされた脇役たちが 色や形として見事な役割をはたしている。 中でも白いローソクの存在が特に効いているように思う。なるほど画面を作るとはこう云う事なのかと勉強になった。
Commented by papasanmazan at 2016-03-23 21:03
みみずくさん、いろいろ計算をして制作の準備をしていてもその過程ではどうしても迷いが出てきたりするのは皆同じ事だろうと思います。そのようなときにはやはり目の判断が一番だと思います。偶然性が出てきたり、予想していたほどの効果だなかったり、さまざまなことに巡り合います。しかしこれらもみな経験につながっていきますので、なるほど大切な仕事ではあるでしょうが、その一枚のキャンバスだけにこだわる必要もないと思います。
Commented by みみずく at 2016-03-23 22:58
確かに長い人生でも良かったり悪かったりと日々塞翁が馬のごとく不確かな事ばかりだ。それらの積み重ねから確かなものを見極めて行くのが醍醐味なのかもしれない。
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