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赤い岩と大きな松

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これも赤い岩のシリーズの一つでF15号の油彩である。いつも制作場所にしている赤や黄土、オレンジ色の土と乱立した木々に囲まれた森の入口に大きな松の木がある。姿はいいのだが余りにも背が高すぎて、後ろに退がって距離をとってみるほどのスペースもない。絵の題材にするにはとにかく大きすぎてキャンバスに収めきれないとあきらめていた松の木である。

ここが一つの考えるポイントである。実際の物を見ただけではどうにもならないかもしれないが頭で考えなおしてみるのである。ルネッサンス期で大いに発達した遠近法というのは目を使った錯覚法、つまり視覚の重視である。目に近いところから遠くに行くに従って物の形が小さくなっていく。それに反してプリミティブ派絵画では知る、ということを重視する。近くにいる人物と遠くにある大きな城とでは目からの距離には関係なく城は大きく、人物は小さくあつかわれる。

つまり視覚と知識の違いなのである。この大きな松を描くにあたって私も知識を重視してみた。キャンバスの中に松をまず納めてみて、後は現実の大きさの比較を眼ではなく頭で整理しながら画面での配分を考えていった。

ある意味では総合的かもしれない制作方法である。何かまた一つの発展があるかもしれない。



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by papasanmazan | 2016-03-03 19:48 | 風景画 | Comments(4)
Commented by カワセミ at 2016-03-08 23:23 x
この作品を拝見していて、とても自然な感じがして寧ろ不思議なぐらい。天を突くような背の高い松の木、目の前にしたら多分首を上下に動かさなければ見えないだろうと思うが、当前のように地面からすっくと立っている。絵だからこそできるマジックのよう・・・
Commented by papasanmazan at 2016-03-12 13:13
カワセミさん、人間の眼はすごいもので、どれほど高度のカメラでも追いつかないほどの適応力があります。同様に人間の頭も使い方でいろいろな応用力があり、やはり使いようなのでしょう。いつまでもよく訓練しておかなければならないと思います。
Commented at 2016-03-14 11:32
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by papasanmazan at 2016-03-16 01:51
carpentras2015さん、赤土や橙色、オークル色の森のシリーズは自分ではずいぶん勉強にもなり、意欲のわく主題なのですが一般的にはあまり理解してもらえないようです。個展の時に出品しても、ゆっくり時間をかけてみてくださる方には分かってもらえるようですが、パッと見がよくないのかもしれません。とっつきの悪い絵なのでしょうか、アイソがよくないのでしょうか、評判はもう一つです。しかし自分としては手ごたえのある、中身のある絵だと思っています。
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