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オレンジ色の岩

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毎年この同じ岩の風景を描いてこれが三度目、季節も同じく冬である.対象になる風景は変わらないのだがイーゼルを立てる位置が毎年3メートルほどづつ対象に近づいている。このままでゆけば来年あたりは岩の中に入り込んで絵を描いているかもしれない。

冗談はさておいても、実際に対象になるモチーフと自分との関係が以前のように対立するものではなく、同化されたようなものになってきたような気がしてならない。自我が無くなってきたといえば聞こえはいいが、ひょっとしてボケてきたのではないだろうかという疑いもある。

これも三度目になるが西田幾多郎の善の研究を読みなおしてみて、そのなかに説かれている純粋経験というものにハタと気づいたのである。最近の制作ではあまり分析したような思考は起こらず、直覚的に画面をとらえようとしているのではないか、これは若いころから理想として掲げていたことなので、現在の状態は喜んでいいのではないか、と思い当たったのである。ただしここのところはもっと時間をかけて深いところを探り当てないといけない、おそらく何らかのかたちで確信といったものがでてくるだろう。

今回の絵もF15号のキャンバスで、見るからにオレンジ色の岩ばかりが目についてくる。



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by papasanmazan | 2016-01-28 18:41 | 風景画 | Comments(0)
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