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たそがれヴァントゥー

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冬の夕暮れ、一番美しい姿を見せてくれるヴァントゥ-山をF10号のキャンバスに描いた作品である.今までにも何度か描いているが、ほとんど家のすぐそばからばかりで制作していたのを、今回はかなり山に近づいたモデーヌの村近くにイーゼルを立ててみた.丘の上に見えているのはクリヨンの村で、左のはしに教会が見えている風景である.そういえば何年か前にこの風景がカレンダーに取り入れられていたのを覚えている。

ほとんど太陽が沈む頃、おおよそ夕方の五時前、夕日が当たったヴァントゥー山の肌が赤く燃えてくる.フランス人はそれをモーブ色という.日本には茜色という情緒深い言葉がある。全く茜に染まったヴァントゥー、黄昏の景色、なかなかに難しい主題である。

何が難しいかというと、その情緒や雰囲気はそのまま現実の物として、画面にはやはり造形感が必要である.情感や雰囲気だけに流れてはいけないのだと思う.その現実と造形を使った仕事との兼ね合いの度合いが難しい.どこまでいってもこの問題にはひっかかるのである。


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by papasanmazan | 2016-01-11 21:52 | 風景画 | Comments(2)
Commented by みみずく at 2016-01-12 20:22 x
朝な夕なに表情を変えながらも変わらぬ姿でそこに在りつづける大地、それは画伯の今までの作品の中で十分に表現されてきた。あとは目の前にある現実とそれに対峙する画伯の心のうちの葛藤? さて今年はどのように昇華されていかれるのか楽しみに拝見させてもらいます。
Commented by papasanmazan at 2016-01-13 06:41
みみずくさん、今年もかなりの制作の計画がふくらんできています。どう考えても体ひとつでは足りない思いですが、時間と天候、季節、その他の条件を繰り合わせながら一枚、一枚と重ねてゆくしかないと思います。特に水彩ももっとやってみたいのが最近の気持ちです.徐々にこのブログでも紹介できればいいのですが、さてどんなものになっていくのか自分でも分かりません。
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