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ピッコロと果物

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4号の短辺と長辺が1対2の細長いキャンバスに小さな楽器のピッコロを主眼にして、果物、布、皿、これも小さなミルク差しを配して静物画を一枚描いてみた。昨年からピッコロを時々モチーフに選び出しているが、なかなか気の利いた形で、小さな画面によくあっていると思う。

細長い特殊な画面で、気をつけないと画面が趣味的で、ケレン味のかったものになりそうである。ピッコロの置き方で横への動きはつくのだが、キャンバスの細長いところにもってきて横にばかり動きをつけるのはどうにもしまりの悪い話である。それで果物などで上下の動きを補おうとかなり念入りに構成してみた。

こういう場合、とりあげている物質ばかりに眼をとられていては駄目で、物と物との間に出来上がる空間を同時に感じ取っていかなくてはいけない。それらを平面的に扱おうと、立体的に扱おうと、同時の空間性として考えるわけである。だからもちろんピッコロを主眼にしていると言っても、制作している画家はたえず画面全体に気を配っているわけである。


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by papasanmazan | 2015-12-25 20:06 | Comments(2)
Commented by みみずく at 2015-12-26 22:02
4号の横長のキャンバスにこれだけの物が配置されているのに少しも窮屈さが感じられず、むしろピッコロから奥への空間が広がって見え画面が充実している。ピッコロを描くためにはこのサイズでなければならないように思えてくるから不思議だ。
Commented by papasanmazan at 2015-12-28 19:14
みみずくさん、特に静物画の場合はモチーフの選択なり、その置き方なりが自由で、絵を描く人の意志や考え、感覚などが表面に出てくるので、楽しみ半分、苦しみ半分といってもいいのでしょう。ただ絶えず身の回りや、道を歩いていてもテレビを見ていても、雑誌などを眺めたりする時などもモチーフを探しているのがいいと思います。
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