人気ブログランキング | 話題のタグを見る

赤い森

赤い森_c0236929_1540517.jpg


赤土の村で有名なルシオンには観光客が押し寄せるので近頃とんと行かなくなった。あの赤の色も好きだし、構造的な岩組なども格好の画題ではあるが、どうも人ごみの中で絵を描くのはごめんである。その代わりと言ってはなんだが規模は小さいがほとんど人が来ない赤土や橙土、黄土の森が家の近くにある。車で十五分くらいで通うのにも便利である。

赤い岩が立っていて、木立が乱立して、ちょっとした赤い森である。ほとんど人と出くわすこともない、鳥の声と夏には蝉の鳴き声とだけが友達である。そんな場所でF4号の縦型の油絵を描いてみた。小さな画面ではあるがなかなかに難しい。上部にある松の木や手前の森の深さなど考えていたよりもてこずったところがある。

岩の角度、木の角度それぞれ決め込んでいくのにかなりの時間を要した作品で、少し色の明度、彩度に足りないものがあるかもしれないが、かえって画面の重さは増したかもしれない。やはりこういった絵の重量感は必要だと思う。


にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村
by papasanmazan | 2015-09-09 15:38 | 風景画 | Comments(2)
Commented by みみずく at 2015-09-15 16:44 x
この作品は心に残る作品のように思う。何がどうと云う訳でもないがどこか味わいのある作品だ。現実のルシオンの赤土と松のような対比は鬼気迫るものがあり異次元空間に迷い込んだようで 自分はこの作品位の対比が上品で好きだ。
Commented by papasanmazan at 2015-09-16 02:45
みみずくさん、たしかに赤と緑という補色であり、共に原色同士であれば眼には相当きついものになるでしょう。やはり画面として成立させるるためには二原色のお互いの調節なり弱め合いは必要となってきます。どれだけの色の純度を保つかはやはり個々の画家の感性によって変わってくるところだと思います。
<< バルーの平野 プロヴァンスの松と平野 >>