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白い岩と白い道

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石灰質の小石は夏の日照りで水分がなくなって真っ白になっている。採石あとの岩山も、小石を敷き詰めたような道も、ヴァントゥーの山頂も真っ白である。なかにはヴァントゥー山は万年雪をかぶっていると誤解している人もあるようだが、夏の白いのはその石灰質の小石が遠くから見ると雪のように見えているのである。

ことしは異常な暑さが続いているフランスだが、私たちの住んでいるマザン周辺はもう一ヶ月以上も雨が降っていない。庭の土もカラからで水やりも大変である。いつも描きに出かけるところでも舗装のしていない道は白い砂ボコリがもうもうと立ちのぼっている。

強い日差しを浴びた白い岩や白い道はよく見ていると不思議な色彩の輝きを見せている。寒色も暖色も白のヴェールをかぶって、一つの奥行きさえ色彩の中に感じるようである、遠くにはヴァントゥーの城の頂がある。F10号のキャンバスに描いてみた油彩である。色彩を駆使して一枚の絵画を創っていくわけだが、白、黒、グレー、これらの無彩色の勉強は大いに必要だと思う。



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by papasanmazan | 2015-07-26 14:55 | 風景画 | Comments(2)
Commented by みみずく at 2015-07-26 22:33
縦で構成された画面を、穏やかな色調が奥へ奥へと目を運んでいく。パステルトーンでベールを覆った岩や村は、夏の強い日差しを浴びながら、涼しく清潔感あふれる作品となって見る者を楽しませてくれる。それにしても不透明な色調で描かれているのに、この透明感は何なのだろう。
Commented by papasanmazan at 2015-07-29 16:53
みみずくさん、油彩の制作上で最近はとみに面ということが分かって来たように思います。妙に作ろうとしなくても自然に面が見えてくるのです。面で絵の流れや構成が思っているよりももっとナチュレルに造りあげられていく感じがしてならず、自分の存在、自分の思考、などが吹っ飛んでしまいそうな気がしてならないのです。
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