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ボーセの岩場

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ボーセの村も一つの鷹の巣村で、集落が丘の上にかたまっているが、それに対面してやはり石を切り出した跡の岩場が奥のサン、ジャンという寺院のあるところまで続いている。岩場の下の所々に人家があってなかなかの景観である。五月ともなると緑に囲まれた岩や家の色彩の対比が絵心をさそってくれる。

日本神話の天の岩戸はいうまでもなくシジュホスの神話や、その他岩にまつわる話も多い。岩を描いた絵画もよく見かける。私も南仏に来てから、特に最近は岩を主題にするようになってきた。それだけこの辺りの地質の目をむいたような岩盤や石切り場の跡、またネスク渓谷のような絶壁などいたるところが興味の対象になってくる。

いわゆる風光明媚な美しいといわれる風景とは違った荒々しく、無秩序なものものの組み合わせ、そのなかにひそむ何か太古へ通ずるような思いというのが私の美観に働きかけてくれるようである。

F12号の油彩である。



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by papasanmazan | 2015-05-18 13:06 | 風景画 | Comments(2)
Commented by カワセミ at 2015-05-19 20:57 x
自然の中にすっぽりと溶け込んだ家々、ゆったりと流れるフランスの人々のライフスタイルがそのまま景色となって息づいている様で、日本とは違って腰を据えて描くにはもってこいのモチーフのようですね。少しずつ変化していく画伯の作品を楽しみに拝見しています。
Commented by papasanmazan at 2015-05-20 08:35
カワセミ さん、現在の環境は絵を描く上で申し分なく、大変有り難いことだと思っています。そういった気持ちを表すには少しでもいい絵画を創り上げていくのが最上の道なのでしょう。
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