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ボーセの風景

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随分久しぶりになるがボーセの村をP8号のキャンバスに描いてみた。南仏に越してきて、割に早い時期にボーセの風景に魅せられてよく描いたものである。なかにはF50号の大きな村の全景を描いて大阪のあるデパ-トでの個展に出品したこともある。あの頃は対象になる風景にくらいついて描いていたような印象が残っている。風景自体にも慣れていなかったし、描いている自分も違った感じの制作だったように思う。体力的にも違いがあるのかもしれない。

このP8号のものになると対象を目の前にして描き始めから終わりまで首尾一貫、戸外、現場で描いていても随分現実離れのしたものになってきている。長い間自分の理想とした考えであって、これでいいと思う。ただしレアリティが失われてはならないのである。繰り返し、繰り返し云ったり考えたことではあるが、レアリティといっても対象になるもののレアリティではない、画面としてのレアリティなのである。

その画面としてのレアリティというものをぎりぎりの言葉で説明しようとすると、同一平面上に同時空間を表す、ということになる。

以前のF50号の作品は大阪の義兄の家の玄関に飾られている。今その絵を観たら一体どんなふうに感じるだろうか。



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by papasanmazan | 2015-05-11 00:03 | 風景画 | Comments(0)
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