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メタミス風景

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ひなびた村メタミスを今年はM8号のキャンバスに描いてみた。横長の画面に、むきだしたような岩盤の上に居並んだ家々が美しい流れを作っているメタミスの村をおさめてみた。今までにも同じ場所でパステルを描いたこともあるし少し違った角度から村や建物、そして丘の風景なども描いたことがある。

この画面で見られる風景、実はこの丘の上、遠方にヴァントゥー山が頭だけをのぞかせているのが実景なのである。以前パステルでここを描いたときにはそのヴァントゥーも入れて描いたのだが、あっさりして、柔らかい表現のパステルでは気にならなかったヴァントゥー山が、油彩になるとどうも頭上に重いものがのっかってきて、すっきりした画面にならないと描き出す前から思っていた。出来上がった作品を想像しても、下手をすると風呂屋のタイル絵の富士山がちらついたりもした。

そこでまことに勝手な話だがヴァントゥー山は省略することにして制作を始めたのである。いつもは主役中の主役、ヴァントゥー山もたまにはこういうこともあっていいだろう。このあたりが絵画の強みである。




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by papasanmazan | 2015-04-30 18:33 | 風景画 | Comments(2)
Commented by みみずく at 2015-05-10 22:14
切り立った岩とむき出しの岩盤、それらと一体化するように複雑に入り組み連なる家々・・・それらが暖色と寒色の色の妙で実に巧みに描かれていて、この場所が素晴らしい所と伺い知ることができる。
Commented by papasanmazan at 2015-05-11 00:15
みみずくさん、数日前にこの現場に以前のパステル画を買ってくださった方をお連れしました。一種感慨深げだった様子で、私も少し安心しました。
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