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石切り場の跡

石切り場の跡_c0236929_1854874.jpg


もう流行らなくなってきているのだろうが、以前の美術大学の受験勉強の初歩には木炭デッサンをよくやらされたものである。石膏像などを木炭紙にデッサンして、形の取り方や調子のとらえ方などを勉強していく。木炭紙百枚位描かないとどこそこの美大には合格しないとか、まことしやかなことが謂われたものである。

美大に入学しても最初はやはり木炭デッサンで大きな彫刻の石膏像などを描かされて、いい加減うんざりさせられた記憶もある。しかし初歩のころは立方体や球などの単純な幾何形体などを描いたり、大顔面といって人の顔だけをとって、それを細かい面にわけ、鼻や口、ほおやひたいなどの面の構造を理解させようという像などもデッサンする。これがまた形も満足にとれないような初心者にはいやになるほど難しいのである。

そんな大顔面を思い起こさせるような石切り場の跡を見つけた。石を切り出した後がそのままに残されていて、切り出した面をみていると思わず大顔面をおもいだしてゾッとしたのである。最初は敬遠していたのだが見るたびに慣れてきて、最後には微笑をすら浮かべながら初心忘れるべからず、というのでF12号のキャンバスに描いてみた。


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by papasanmazan | 2015-04-13 18:51 | 風景画 | Comments(2)
Commented by カワセミ at 2015-04-13 19:16 x
色彩画家の画伯でなければ描かないだろうな~と思う場所ですね(*^。^*) 何でもない所がすごく魅力的に見えてくるから不思議です。これが絵の力なのですね。
Commented by papasanmazan at 2015-04-15 02:48
カワセミ さん、確かにこの場所はあまり人好きのしないような表情かもしれません。しかしそれなりに描きごたえのあるところだと思います。既成概念に頼らないところを求めていく姿勢も大切なのでしょう、このあたりにも不易流行を考えさせられます。
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