人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ヴナスクの坂

ヴナスクの坂_c0236929_19482853.jpg


松や雑木でおおわれた丘の上にヴナスクの村がある。その土台は岩盤が眼をむき出し、強くて荒々しい骨格を現している。ひとつひとつの家がかたまりあって、これも集落というよりほとんど立体感だけが感じられるような村。フランスの美しい村の一つである。

イーゼルを据えた場所から見上げると,青空の中に広がった風景全体に視線が誘われるが,気づいてみると、その坂道に沿って心理も上に、上にとひっぱられていくようである。

個々の物の説明とか描写とかが余り気にならなくなってきつつあり、一体自分は何を描いているのだろうかと思うことが多い最近の制作である。きっと何かに突き当たってきているのだろうし、大変集中力も強くなっている。まだ上手く言葉にはならないのだが、筆で描きながら頭でもよく捜し出そうとしているところである。何かには間違いないことだけは確信しているが、ひょっとした拍子に上手い言葉が見つからないものだろうか。そこにこそ安心立命というものがある。

P20号の油彩である。




にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村
by papasanmazan | 2015-02-01 19:45 | 風景画 | Comments(2)
Commented by みみずく at 2015-02-02 14:18 x
堅牢で且つ静穏な画面に超然たる自然の存在を感じる作品。これは画伯の内なるものから出てきているものかと思われ 新たな意気込みがひしひしと感じられ今年もブログから目が離せなくなりそうだ。
Commented by papasanmazan at 2015-02-02 19:38
みみずくさん、徐々に自分の描くべきものがはっきりしてきました。風景で言えばこの辺りは特にきれいな所、絵になるような場所の多い所なのですが、それをそのまま受け取っていてはダメなのだと思います。自分の中の何かと余程上手く合致したものを取りあげて描いていくべきなのでしょう。
<< 白樺の林 黄色い岩場 >>