現場主義の私はサインを入れるのをのぞいては自然の中で制作を始め、自然の中で制作を終わることを原則に仕事を続けるが、この15号の風景画についてはこれで完成したとアトリエに持ち帰っては不満なところが目につき。また自然の中にキャンバスをたて、またアトリエで点検しているうちに欠点が分かりもう一度現場に戻る、そんなことの繰り返しを自分でも嫌になるほど重ねた作品である。描き始めたのは春の頃、題名は夏のヴァントゥーと、ようやくサインを入れたのは夏の終わりである。
いつもの山と白い岩なのだが、何度描いても難しい。白という色に泣かされているのである、それでいてやはりきれいだと思うのは一種、職業病なのかもしれない。
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