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モルモワロン全景(完成)

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モルモワロンの村の背にかつての石切り場があって、切り出された石の後が荒々しく目をむいている。まるで面取りデッサンの見本のようである。その場所から村を見おろすと美しい風景が大きく展開されている。ヴァントゥー山のふもとからさらにヴォークルーズの山並みにかけての点在する村々や、森や林をふくんだ様々な緑の畑が織りなす広大で光に満ちたパノラマ風景である。

眼下にはオレンジやピンク色に輝いた屋根や壁を見せた家々が散在するモルモワロンの村の全景が手に取れるように存在している。ひとつ際立って教会の姿が存在を示しているのもなんだかフランスの村をよく表しているようである。そんな俯瞰図をM30号のキャンバスに描いてみた。

こういった俯瞰したような風景を描くのはヘタをするとアクどく、わざとらしい感じがして下品になりがちである。いってみれば看板絵とか、まるで地図でも見ているような絵にもなりかねない危険があると思う。だから余り細部にはこだわらず、できるだけサラリとした表現にまとめてみたかった。

ここは風当たりの強い場所で、ミストラルに邪魔をされるのが多い制作であったが、進み具合は自分自身納得のいくものになったし、これからのいい指針にもなった作品だと思っている。何故だか分からないが出来上がったものを見ていると、織田信長が上杉謙信のご機嫌取りに贈った洛中洛外図をさかんに見たくなってきた。何かの関連があるのかしら、とも思う。



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by papasanmazan | 2014-08-20 15:50 | 風景画 | Comments(2)
Commented by ono7919 at 2014-08-22 21:47
M30号の横長の作品 この作品は見ごたえがあるでしょうね。日本には昔から絵巻など俯瞰図が多く描かれているがそれらを見るたびその確かさに驚かされる。
Commented by papasanmazan at 2014-08-23 08:38
ono7919さん、特に今年の秋に一時帰国したときには雪舟の天の橋立図を見たいと思っています、昨年、一昨年も京都の博物館が休館だったので、機会がなく残念でした。雪舟にますますひかれています。
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