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プロヴァンスの家(完成)

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南仏での生活も十年を越えたが、こちらに越してくるその一年程前に、南仏とはどんなものかと下見かたがた、家内と、ちょうど日本から来ていた知人、そして私、この三人で四、五日だっただろうかプロヴァンスを見て回ったことがある。その時に何の前知識もなく偶然マザンにも一泊したのである。

家内が予約してあった宿をひとりで捜しに行ってくれている間に私と知人とは、その人も絵を描かれるひとだったので、二人でマザンの教会を少し離れたところからスケッッチしたことがある。ちょうどそのスケッチした場所のすぐそばに一軒の石造りの家があって、その家を何度か車でまわっているうちに見かけたのである。何の変哲もない家なのだが、南仏の家というのはこんなものなんだな、とそのとき何となく印象づけらたのを今でも覚えている。まさかその家を十年後に絵にするとも思わず、またまさかマザンに住むとも思ってもいなかった。

これもなにかの縁なのかもしれない。この家も当初は古びた田舎家だったが、構えは立派で、今は外壁も塗り直され、屋根もきれいに葺き替えられている。そしてまわりに南仏を特徴づける笠松、糸杉、それにオリーブが植えられて美しい光景になっている。まさかとは思いつつF4号の油彩にしてみた。



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by papasanmazan | 2014-01-24 03:09 | 風景画 | Comments(2)
Commented by kanure at 2014-01-25 16:52 x
ご一緒させてもらった知人です。いつも楽しみにブログ拝見しています。当時の楽しかったことは忘れもしませんが、この家のことはすっかり忘れていました。この作品を拝見してにわかに思いだしました。麦畑や民家に続く轍の道、後ろが小山だったんですね。一緒にスケッチをさせていただきましたが、地形も家の作りもわからないままでは形にすらならなかったことを思い出します。その地に長年住まわれ描き続けておられる画伯の作品を拝見していると 一時の感動だけでは絵にならないことを痛切に感じます。
Commented by papasanmazan at 2014-01-26 13:56
kanureさん、十年経っても新鮮さを失わない南仏の風景です。もう題材としてつきてしまうかと思われそうですが、反対にますます描きたいと思う場所がみつかり、体は一つ、で気もちばかりが先行してしまいます。こんな魅力を是非もう一度味わいにきて下さい。
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