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ざくろ(完成)

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昨年のF10号に続いて今年もざくろを描いた、F6号の大きさである。前にも書いたことだがざくろは私の絵の出発点である。二十歳代後半に、まだまだ腕は未熟ではあったがなんとか絵として見られるようなものが出来上がった、それがざくろをテーマにしたものだった。それ以来かなりの数のざくろの絵を描いたことになるが、パリ近郊に住んでいた時には一枚も描かなかった

南仏に来てようやく昨年からまたこのテーマの画面を再出発させている。以前の大きなキャンバスに描いたざくろなどを自分の画集で見ていると、色幅も現在に比べるとせまく、よくこんなもので出来上がったものだと変な感想をもったりもする。とにかく色の扱いが単純であった。

使っている絵の具はもう何十年来変わっていないが、その扱い具合によって色数が多く感じられ、ハーモニーという点でも広がるものである。それは決して絵の具の数を多くしたからではなくヴァルールの上げていき方が上手くなっているからである。要するに自分の眼をうんと集中させて使かっていくことなのである。これは大切なことで、絵の具を百色使ったからといって決してカラフルとはいえないのである。




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by papasanmazan | 2013-09-29 01:01 | 風景画 | Comments(2)
Commented by ono7919 at 2013-09-30 16:59
それほどの色数も使ってないのに色彩が豊かで複雑なのにスッキリしていて・・・色とは何とも不思議なものですね。
Commented by papasanmazan at 2013-09-30 21:22
ono7919 さん、とにかく絵の具そのものと画面の中の色彩とを混同してはダメなのです、私の知り合いに、小豆島のオリーブを描きにいく前日に画材屋さんでオリーブグリーンという絵の具を買って、もういい絵が描けそうだと喜んでいる人がありました。その方のことを笑ってばかりもいられないのです。
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