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木立ちと畑(完成)

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描き始めたのが冬のさなかだったこのF6号も、その木立ちには緑の葉っぱが繁っているこの頃であるが、それでも冬の枯れ葉をそのままに残しながら、やはりその現場で制作を続けてきた。目の前の風景が一変しているのだから現場で描くのも意味がないだろう、といわれるかもしれない。

なるほど枯れ葉の色と若葉の緑色は全く違ったものである。しかし私にはその現場にあるトーンといったようなものが大切に思えるのである。緑の色や枯れ葉の色といった色相の違いではなく、またおのおのの色がもつ色階ともちがって、その場所なら場所、その物なら物、その人なら人、それぞれが持っている本来の何かである。

それは季節が変わろうと、また条件が変わろうと不変の本質があるように思えてならない。絵の場合はそこに形と色を盛込んでいけば良いのではないかと思っている。先日も言ったことだが、これは小さなケシの実だといえないだろうか。そこに大きな全世界ものみこまれてしまうのである。



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by papasanmazan | 2013-05-07 02:55 | 風景画 | Comments(0)
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