のこぎり山(完成)

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糸杉の繰返しによる垂直性、それに対するのこぎり山の横の広がりによる水平性、大地や畑にも角度や方向性を与えてそれぞれを統合していく。こうしてバラバラになった感覚を序々に取り集めていく仕事の手順でようやく一つの風景画は完成した。

時間が経つにつれてものはよく見えてくる。。複雑さにも耐えられるし,自然の姿も理解が出来てくる。しかしそうだからといって今描いている絵柄が細かくなるいっぽうかといえば決してそうではない、あるときは段々と自然のものが見えるに従って画面の色彩のトーンも細かくなり,複雑に絡みあっていく場合もあるが,時として逆に複雑な形を簡略化したり、色彩も単純に省略したりすることもありうる。すべては全体の効果を配慮しながらの仕事である。

このF4号の小さな画面でも途中でかなりの描き込みや省略による仕事の進行とも逆行ともつかぬような葛藤があった。そしていちどはぐんと明度も彩度もおちることだってある。そこをなんとか持ちこたえて、たたきあげてきて本当の画面になることが多いようである。



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by papasanmazan | 2013-03-19 20:29 | 風景画 | Comments(2)
Commented by ono7919 at 2013-03-26 15:41 x
バラバラになった感覚を取り集めて完成に導いていく・・・含蓄のある言葉です。感動だけではたちまち行き詰ってしまうし対象に引っ張られすぎると もう何が何だか分からなくなってしまう。確たる意思とそれを切り開く努力こそが本来の画家の仕事とでも云うのでしょうか・・・画面に爽やかな明るさを保ちながら複雑な山肌や眼前に広がる大地の距離感がとても4Fとは思えない大きさを感じます。
Commented by papasanmazan at 2013-03-26 22:08
ono7919さん、写真にすると少し分かりにくいのですが,以前と比べると作品が序々に変わってきたように思います。
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