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黄土と松(第二段階)

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ほとんど毎日のようにこの黄土の森にでかけて描いている。午前と午後にそれぞれ一枚づつ、光の方向によって描き分ける。家からだと車で十分位だから,お昼にはいったん帰宅して昼食。少し昼寝をしてから又出掛けて制作する。ほとんどこれの繰り返しの単調な生活だが,とみに充実している。日本にいる時の時間の経つ速さに比べると、よほど人間らしいと感じられてならない。

木の幹や松の緑、それに黄土の黄色、空の青で息抜きに抜けるような空間、それぞれの形や色が複雑に組み合わさって一枚の画面が出来上がっていく。物と物とが接するところに輪郭線が引かれ,その線からあるいは外に、あるいは内に面が展開されていく。決して輪郭線のひき直しをこわがってはいけない。むしろ物を凝視するうちに,又画面を計算するうちに、色も形も変わっていくし、それにつれて輪郭も新しくなっていくはずである。

線はまったく抽象の産物である、これほど人間の頭や眼や手の働きを端的に示すものはない。それにひきかえ面は具象性の現れである。面には触覚性すら感じられる。人間の肌触りと同じく画面にもそれぞれの肌触りがある。清潔なのもあれば不潔なのもある。フローベールは小説を書くにあたって、すべては文体にあると言っている。その文体というのは私には肌触りと言った物に感じられてならないのである。

by papasanmazan | 2013-02-23 20:37 | 風景画 | Comments(0)
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