赤いパッサージュ

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昨年の夏から新しく「ヒマワリ畑」と「赤い岩」という、自分としては非常に興をそそられるテーマの制作をはじめたのだが、季節が限られるヒマワリとは違って、赤い岩のほうは一年中いつでも出向いて描けるので有り難い。まだまだ研究が足りないので、その岩の持つ本質が見極めれないのだが、これが分かってくれば自分の仕事全般に影響してくることだけは間違いがないようである。

まだ完成には至ってないがかなり描き込んである油彩が二点ある。その他に今日の分、P8号もある。岩と岩がせまっていて、大きなアングルで全体をとらえられないのが残念なのだが、かえってその幅狭さが通り道の印象を与えてくれる。パッサージュというのはそこからの言葉である。

音楽の中でもよく音が移行していくときにパッサージュという言葉を使うが、近代ではそういった音楽用語を画家が自分の仕事の説明のために借用していることがある、ゴッホも色彩のオーケストレイションなどといったりするかと思えば、セザンヌは色彩のパッサージュと説明している。これは固有の色から色への移行の部分のことである。スーッと色が抜けているような感じの部分で、言ってみれば固有の色の強さから次の色の強さに移る時の滑らかな調和をはかるもの、呼吸でいえば固有色の時は強く息を吸い、移行のとき柔らかく息をはいている、と言ったような具合である。

この赤いパッサージュというのは単に赤い通り道というだけのことだが、さて見た目にはどれだけスーッと奥に視線を引っ張って行けるのかが一つの判断となる制作だと思う。しばらくアトリエで眺めてから完成しているものかどうかが分かるだろう。

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by papasanmazan | 2013-01-07 19:59 | 風景画 | Comments(2)
Commented by nonno at 2013-01-08 23:28 x
パッサージュとはそういう意味だったんですか。シャンソンの歌詞の中に”パッサージュ”と出てくる所があり気になっていました。赤と緑の補色ながら、画面が静かに見ていられるのは、色の移行がうまくいっている証なんですね。
Commented by papasanmazan at 2013-01-09 00:23
音楽ではパッサージュの意味がもっと独立した部分の意味が強いと思います,これは専門の人に聞いてみたいところです。ただしセザンヌの使っているのはそういうことで移行部分であり,そこにグラデーションの技法が用いられるわけです。わけもなく色彩の変化を加えているのではありません。
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