松林とヴァントゥー山(第一段階)

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新春を祝って、と言った意味でもないのだが松林とヴァントゥー山を組み合わせたものをP15号のキャンバスに描き始めてみた。めでたい松と、富士に似たヴァントゥーである。日本画ではこういった季節感や、祝い事などの意味を込めた作画態度を見受けるが、フランスにいて、油彩の仕事となると話はまた別ものである。

この絵については他の要素は殆どない。色彩を多く使いたいから建物や、添景の要素を増やすこともない。単に山と松林が二列に並んで、それを空と手前の畑がとりかこんでいる、といった具合の、水平に流れているだけの絵づらである。いわゆる絵の構図といったような確固とした形にはなっていないものである。

絵にはなりにくい、絵のおいしさがない、といってもいいだろうか。観る人からしても何の面白さもないのかもしれないのである。しかし敢て、といってでも良いから私はこの仕事を進めて行きたいと思っている。

それは何かというと、絵ではなくって、画面という考えを推し進めたいのである。一つ一つの物にこだわるのではなく、画面全体として眼に訴えかけてみたいという衝動、そういった感覚が私には巣食っているようだ。全体があって部分がある、部分が成り立って全体が存在する、これは若い時から読んだ鈴木大拙の禅などで、いちばん私には役立った指針である。

どうもあまり人好きのするような絵は描けそうにもなくなってきた。ますます絵も売れなくなるのだろうか。新春そうそうの感想である。

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by papasanmazan | 2013-01-06 23:11 | 風景画 | Comments(0)
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