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ヴァントゥーとマザン遠望

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F0号の大きさは規格のキャンバスとしては一番小さなもので、いってみればほとんど手のひらに入る位である。そんな小さな画面に、何も遮るもののない天空、その下に南仏の巨人とよばれるヴァントゥー山、そして私たちの村マザン、手前に広がるオリーブの畑など、家の前の広大な風景を全部取り入れてみた。

これも一つの絵画の楽しみである。ミニチュア絵画の中に描き込まれた中世や、宮廷の生活にふとひきこまれるときがあるが、ささやかなものの中にも全宇宙があっていいはずである。それほど大げさにいわずともいいのだろうが、最近私は小さな画面を描くのが楽しくなってきている。

以前は4号以下のものなどを描くのが大嫌いであった。ただ肩がこって仕方がない、というのが実感だったが、年齢もあってかこのごろは小さなキャンバスをみても嫌気はささない。

ひとつには画面の密度という意味が少し理解出来てきたからではないだろうか、なにも細かく描き込むだけが密度につながるわけではないのだが、画面の作り上げ方が見えてくると自然に筆がついてくるようになってきたようである。このF0号の風景画でもそれはいえるようである。要するに自分の作品を注意深く見ていくことが大切なのだと思う。

by papasanmazan | 2012-10-18 22:57 | 小さな絵 | Comments(0)
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