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ザクロ(第二段階)

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ザクロの実の赤や黄色、葉っぱの明るい緑や暗い緑、幹の褐色、それらをすかした空の色、いわゆる空間を作る色や形が互いにしのぎをけずって、あるいは赤や黄色の暖色が面積を大きく占めてきたり、それだけでは息がつまって寒色の空間がまた必要になってきたりする。

若い頃にこのザクロを主題にして絵を描いていた頃、輪郭線と、それからその線から物の中央部に向かって面に転換されていく過程が大切であることにはじめて気づいたものである。それと今もいった暖色と寒色の使い分け、殆どこの二つを理屈に仕立てて制作していたものである。

これらのことは私の絵画人生のうえで大きかったし、大変勉強になった事柄である。勿論現在の制作の根底になってはいるが、以前ほど理屈を先に立てていく必要はなくなった分、少し気分的な余裕は出てきたように思う。ただしそれだけ絵を描くのが簡単になったのかというと、いやいやそんなことは到底なく、ますます難しくなってきた、というのが実感である。

by papasanmazan | 2012-10-05 00:01 | 風景画 | Comments(0)
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