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バルーの松(完成)

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二年越しに制作を続けてきたこの絵もようやく完成した。バルーの丘から大きな松の木を見据えてプロヴァンスの平野が広がっている。どこをとっても緑が鮮やかで、まばらに見える人家や、あかい土との対比が美しい。

湿気がないのでどの色彩をとってもまるで眼に直接やきついてくるようである。といっても原色のギラギラしたものではなく、あくまで透明なさわやかさがある。日本の風景とはまた違った緑色の幅の広い展開をみせてくれるプロヴァンスだが、そこに生活している人たちもまた日本人の気質とは違っている。

少々粗野で、おしゃべりばかりで、余り働きたがらない人たちだが、心底明るく暮らしているように見える。心配なんかとてもしていなさそうだ、どうせ同じ一生ならアクセクするばかりが能でもないようにおもわれる。

by papasanmazan | 2012-08-02 20:23 | 風景画 | Comments(4)
Commented by nonno at 2012-08-03 17:39 x
悠久の時を経ても変わらぬ風景、中世の人もこの丘からこの光景を眺めていたでしょうか・・・人間の思わくを他所に時を刻んできた美しさだけが画面から伝わってくるそんな感じがします。
Commented by papasanmazan at 2012-08-03 19:08
nonno さん,数学者の岡潔がこの悠久という文字が大好きである、孫の名前を頼まれた時にもこの字を使った、というのを何かの本で読んだ記憶があります。画面にもそういったものが出てくれれば、と思います。 
Commented by 絵の初心者 at 2012-08-17 00:26 x
遠く広い大地を眺めながら木陰にての心地よい涼しさそしてさわやかさが伝わってくるように感じます。
Commented by papasanmazan at 2012-08-17 03:45
絵の初心者さん、実際、小さなチャペルの裏は陽があたらず、夏でも日によってはウィンド、ブレーカーを着込んで制作していました。そこからの風景はご覧いただいているようなものですが、描いている私はかなりアクセクした様子であったろうと思われます。
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