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ラナンキュラス(第一段階)

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いつも何らかの問題を抱えて制作しているような状態なのだが、この頃アイリスとリラをF12号の油絵にしている最中で、これも自分にとっては一つの変わり目になりそうな気配がある。絵を描くときに「もの」、すなわちモチーフを大切にするのは基本であり大切なことには違いない。しかしそれだけでもおさまらない。やはりそこには自分というものが関与してくる。

そこのところを私は画面という言葉でとらえている。画面はただ単に物の描写をするだけではない、作者の意図なり理想なり、美観を盛込んでいくべきものである。そのための構成力や色彩感覚が必要でもある。そこまではこれでいいとして、結局は作者とものと画面、この三つの関係がスムーズに共存していけるのかどうか、そのあたりがゴチャゴチャしだすと問題が起こってくるのである。


現在の私の気持ちとしては幾分「もの」から離れてみたくなってきている。いままでは構成や動きを重視しながら、最後にはものの描写で画面を納得させて、それで完成ということがほとんどであった。それはそれとして絵画制作の一つのありかただろうし、自分なりの美感も盛りこめたと思っている。しかし人間それだけではおさまらないようで、もっと画面優先のものに焦点が当たりだしたのである。

どうにも手探りで,実験を重ねるような科学者のような仕事をしてみるしかないのではないか。作品からはほど遠いものが増えるかもしれないが,顧みれば若い時からそんな繰り返しであったような気もする。何も歳をとったからといっておさまっているばかりが能でもあるまい。

そのような中でこれも新しくF3号にラナンキュラスの花を描き始めている。一昨年からこのラナンキュラスになじみ始めた。

by papasanmazan | 2012-05-12 18:40 | 静物画 | Comments(0)
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