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丘の風景(第三段階)

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ようやくひどかった寒さも少しやわらぎ、懸念していたこの丘の風景画を描きに出かけられるようになった。F8号の油彩である。丘は葉のおちたポプラや白樺などで覆われ,その隙間からあちこちに石造りの家が見えている。  

冬の寂しい静かな風景である。しかし最初にこの実景に出会った時から,全体としてのダイナミックな量感に惹かれたのである。まるで左上から右下にかけて転がり落ちるような塊が表わせないものだろうか,と狙いを定めた。

画面を作り上げていく上での一つの狙いである。出発点のイデーと言っていいと思う。それを油絵具という材料を使いながら追求していくわけである。しかしそれほど一直線にイデーを追っていくことがなかなか出来ない。

時間の経過や,自分の中にある弱さなどで最後までそのイデーをひっぱっていくのは至難のわざである。現にこの絵も少し表面の複雑さに惑わされて,画面全体が弱くて説明過多になってきてしまっている。確かに進んでいる,と現場で思えるような時、これがなかなかのクセモノなのである。

by papasanmazan | 2012-02-17 20:03 | 風景画 | Comments(3)
Commented by カワセミ at 2012-02-22 14:09
上から下に転がり落ちるような量感?どんな風にできあがってくるのか楽しみで~す・・・
Commented by カワセミ at 2012-02-22 14:14
作品に向かわれるとき、モチーフを前にやはりそう言った理念をいつも持っていつも向かわれているのでしょうか・・・
Commented by papasanmazan at 2012-02-22 15:55
カワセミさん、やはり理念がはっきり持続出来ているときのほうが
結果はいいようですが、目の前のもの、現実、実景に惑わされてしまうことが多いです。自分の弱さからだと反省しきりです。
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