<   2015年 09月 ( 8 )   > この月の画像一覧

カシィ風景

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シオタのモービルホームはなかなか快適で、一週間、制作の後はゆっくりとヴァカンス気分であった。午前はシオタで、午後はカシィでそれぞれのアングルで地中海に面する観光の村を描いたのだが、このカシィのぶんはP10号、春にはF15号にすでに一枚描いているがそれよりももう少し低いところ、視界の開けている場所にイーゼルを立てて制作したものである。

ここも下を見れば吸い込まれそうな断崖絶壁で、立て看板に落ちる危険ありと記されている。しかし柵や網が張られているわけでもなく描いていても余り安心できないようなところである。ただ風景は全くの美しさである。

手前の部分に樹木や岩のような視界をさえぎるるものをとりいれずにただカシィの半島と海、空だけの単純な構成にしてみた作品だが、広がりは出たように思う。こういったあまり手の込んだような構図をさけて、出来るだけ表現の端的さを前面に押し出すようにこれからは努力すべきだと思う。いかにもこれは絵だ、ということは第一義的なものをおろそかにするような気がしてならないのである。


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by papasanmazan | 2015-09-29 17:59 | 風景画 | Comments(2)

シオタからの地中海

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春の一週間に続いて夏のヴァカンス客がいなくなった地中海にのぞむ町シオタ、その隣のカシィにまた一週間滞在して、午前、午後の光で選別された二枚の油彩を制作してきた。午前はF12号のシオタからの地中海風景である。

全く好天に恵まれた一週間で、途中一日だけが強風で制作できなかったが、その日は体を休めることにしてあとは充分に描ききれた。作品としても悔いがないものになったと思う。紺碧の深い海、そこにエメラルドの部分が重なってまことに美しい地中海である。海につきものの俗っぽさはところどころに見られるが風景全体を遠望した形なので余り細部にこだわりさえしなければ気になるほどのものではなかった。

また海岸の松林がここはよく自然のなかに残っていてこれもいい題材になる。この次の滞在の時の制作分までモチーフが見つかってきた。とりあえずはこの12号の絵だが、海の色を出来るだけ抑えるようにした。じっさいの地中海はもっと深くて濃い色だがそれをそのまま持ってくると色の面積を考えても随分重い作品になりそうである。その色の問題よりも海の水がみなぎっているという感じを大切にしたかった。水を表現するのは難しい、かといって劇的な荒れた海や打ち寄せる波と言ったものも描こうとは思わない。できるだけ満々とみなぎった海を描いてみたいと思っている。

別荘地や夏のヴァカンスにありがちな派手な建物も極力抑えるようにした。いつもながら全体感だけを頼りに制作したものである。 



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by papasanmazan | 2015-09-27 19:49 | 風景画 | Comments(2)

ブラントの村

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現在住んでいるマザンはヴォークリューズ県に位置しているがヴァントゥー山をはさんでその裏側はドローム県になる。フランス全土は95県に分かれていて県名の頭文字のアルファベット順に1~95の数字でその県をあらわすことになっている。たとえばヴォークリューズは84でパリは75である。

ヴォークリューズとドロームの両県は2000m近いヴァントゥー山の南側、北側という具合に分かれているのだが、その性格も何となく違って感じられる。たまにドロームのほうまで足を伸ばすと車の量も少ないし、人も余り見かけないような印象がある。風景もマザンあたりでも自然が多いがドローム県はもっともっとひなびている。何年か前に初秋に訪れた時は本当に空気が澄んでいて、景色そのものが透明なものに感じたことがある。

そのドローム県にこれはまた際立ってひなびた村、ブラントがある。おそらく人口は500人以下ではないだろうか、。ヴァントゥー山の切り立った北壁にへばりつきそうな村で、なだらかな南側ヴォークリューズとはこれも一つ違った趣きである。急勾配の道に沿って人家が点在している村を水彩で描いてみた。久しぶりの水彩だがこのような制作は楽しいものである。



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by papasanmazan | 2015-09-18 17:24 | 水彩画 | Comments(0)

オリーブの中の農家

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今年の早春、バルーにある農家を15号のキャンバスに描いたのだが、この農家は南仏に来てからすぐに眼についた建物だった。特に際立った特徴があるわけではないのだが廻りの風景と相まってプロヴァンスらしい、という感じを持ったのである。

十年以上前に初めて見たのだが、その頃は建物の姿はどっしりとしていたが、無人の家で寂れたものだった。今は新しい持ち主が随分手を入れて、見違えるようなきれいなものになってバルーの土地になじんでいる。この建物はこれからも何度も描いてみたい。

今回は手前にオリーブの畑が、これも随分手入れされた美しいものだが、かなりの規模で連なっている場所からこの農家が姿を見せているところを選んでみた。F3号の油彩である。オリーブの銀色のようにもみえる複雑な緑と建物の色の対比だけの構成で、これはなかなか難しいものだった。小さな絵のわりには随分制作の日数もかかったし、最後の完成の時にはクタクタになるほど描き込んで、これには風邪も相まってまいったのである。



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by papasanmazan | 2015-09-17 08:28 | 風景画 | Comments(0)

三つのザクロ

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ザクロを初めて描いたのは20歳代の後半だったが、もう40年も秋になるとこの題材を描いていることになる。あるときは木になっている赤い実を、あるときは静物画のモチーフとしてあきずに描いている。

絵画の空間ということが理解できはじめたのがザクロの枝と実と葉っぱ、それを取り囲む空間、その構成でかなりの数の油彩を描いた時であった。現実の私たちがいきている空間、それと絵画の空間とは違ったものであるということが分かったのである。

それから以降は絵を描くことの意識が変わりもし、美術館で絵画を観たり彫刻に接したりする時にも集中度が深まって絶対的な面白さがあじわえるようになったと思う。

今回はF4号の比較的小さな画面に三つのザクロをモチーフに、白い皿と、最近手に入れた渋い柄の布を合わせて描いてみた。



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by papasanmazan | 2015-09-15 16:27 | 静物画 | Comments(2)

バルーの平野

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よくまとまった形で残っている中世の城があるバルーはいつも陽が当たっているという印象のある村である。城の廻りに一群の家々があって、その小高い丘から見渡した風景はまさしくプロヴァンスのそれである。眼を遮るものが何もなくて、一番遠くにアルピーユの連山までが姿を見せている眺望はいつもいつも見飽きないものである。大きな自然ではあるがどこかに柔らかさと優しさを持った風景、そして緑の色の饗宴である。

ほぼ20号大で、縦と横の比率が1対2のほ細長いキャンバスにその緑のスペクタクルを描いてみた。俯瞰図はなかなかに難しい、へたをすると退屈で平板な色の羅列と言った具合の画面になる恐れがある。それにこの広がった穏やかな平野にはあまり中心になるような際立ったものがない。全体に、全体にと仕事を進めながら徐々に画面に動きを与えるような面を拾い上げるようにしてみた。

仕事が重なっていくにつれ有り難いことに画面の中に自ずと動きが出てきたのである。それほど創ったわけではないのだが形が回転し出した感じがつかめたのである。それを機にこの作品は一気に完成にまで持ち込んでゆくことが出来た。



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by papasanmazan | 2015-09-14 18:32 | 風景画 | Comments(2)

赤い森

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赤土の村で有名なルシオンには観光客が押し寄せるので近頃とんと行かなくなった。あの赤の色も好きだし、構造的な岩組なども格好の画題ではあるが、どうも人ごみの中で絵を描くのはごめんである。その代わりと言ってはなんだが規模は小さいがほとんど人が来ない赤土や橙土、黄土の森が家の近くにある。車で十五分くらいで通うのにも便利である。

赤い岩が立っていて、木立が乱立して、ちょっとした赤い森である。ほとんど人と出くわすこともない、鳥の声と夏には蝉の鳴き声とだけが友達である。そんな場所でF4号の縦型の油絵を描いてみた。小さな画面ではあるがなかなかに難しい。上部にある松の木や手前の森の深さなど考えていたよりもてこずったところがある。

岩の角度、木の角度それぞれ決め込んでいくのにかなりの時間を要した作品で、少し色の明度、彩度に足りないものがあるかもしれないが、かえって画面の重さは増したかもしれない。やはりこういった絵の重量感は必要だと思う。


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by papasanmazan | 2015-09-09 15:38 | 風景画 | Comments(2)

プロヴァンスの松と平野

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南フランス、プロヴァンスの小さな村マザンに越してきてもう十年以上になる。ようやくこの風土にも慣れてきて、緑の色の豊富さにいっそう喜びを感じるこの頃なのだが、絵の制作についても同じような題材を扱いながらも徐々に理解の度合いが深まってきたような気がする。このプロヴァンスの松と平野という主題にしてもすでに十枚位はキャンバスを変えて描いてきたはずだが、完成したのもあれば途中で放棄したのもふくめて未だにこれでよし、というものが出来なかった。

今年の始めからなんとかこのモチーフを使った風景画の、いわば決定的な作品を創りたいというのが一つの計画であった。今回はF20号のキャンバスを選んで、この制作の場所はちょっとした丘の上まで登らなければならないので、年齢と体力を考えた上で覚悟を決めて通ったのである。おまけに今年のフランスの夏は記録的な暑さだったので少し苦しい制作になったのだが、成果が大いに上がったと言えそうである。

見た目には構図というのか、図柄というのか、そういったものは以前の作品とはほとんど変わらないものが出来上がったわけだが、自分自身、これでいい、といってよさそうなものになってくれた。色彩というものが自然やものの説明だけに終わらず色塊そのものとして画面に重層を与えていけるような働きが表わせるようになってきた。一つの制作のコツといえばいえるのかもしれない。あるいは自然離れ、ともいわれるかもしれない。

ただそれだけのことではあるが心の底から笑みがこぼれそうな気持ちである、これ以上のことは何も言うまい、今後の制作につなげていくだけである。ようやく現実として芸術、美、そういったものに直面出来そうである。



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by papasanmazan | 2015-09-05 20:16 | 風景画 | Comments(2)