<   2015年 08月 ( 7 )   > この月の画像一覧

ヴナスクの教会(小)

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今年の三月にF10号のキャンバスにヴナスクの村の突端にある教会を描いたのだが、早春の頃で、その制作の途中では雪に見舞われて坂の下まで車で出かけたもののとても上まではチェーンなしでは登ることが出きずに家に引っ返したこともあった。ほとんどが冬をひきずったような制作だったのだが今度は真夏の同じ画題をF0号の小さなキャンバスに再度描いてみた。

同じ画題であっても、また同じ角度から、同じ場所からであってもキャンバスの大きさが変わるとおのずとそのモチーフのおさめ方も変えていかなければならない。大きな制作をそのまま縮小するわけにはいかないものである、それほど’画面の大きさを選ぶということは難しいもので、これはデッサンの初歩から気をつけて学んでいかなければならないことである。

またデッサンなどを教える側もここのところをよく心得て教えなければならないと思うが如何なものだろうか。ただ単にものを描くということだけに終止している場合が多いように思われる。こういうことも時代の流れで、もう古くさくなった事柄なのかもしれない。



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by papasanmazan | 2015-08-31 23:59 | 小さな絵 | Comments(3)

ヴナスク遠望

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二、三年前になるがP6号の比較的小さなキャンバスにヴナスクの村を遠望したものを描いたことがある。ヴナスクは小高い丘の上にある家の密集した村で、その村を支えてている岩盤があちらこちらにむき出されたような野性的な美しい村である。その村全体を遠望できる場所をサクランボ畑の中に偶然見つけたのですぐに描いてみたのが前作であった。

その前作ではP6号の少し横長の形のキャンバスを選んだのだが、出来上がった作品を見ているとまだ岩盤の表面が出ている右端の出っ張りの具合が足りないと感じた。それで今年はM15号というもう少し大きく、もっと細長い形のキャンバスを選んで、描く場所は同じところで再び制作したのである。

出来上がったものは前のものと比較して広がりが出てきたように思うし、手前の糸杉を使った縦の切り込みも強くなったかなという気もしている。ただし切り込みが強すぎてギスギスしすぎていると言われるかもしれない。観ていただく方々の判断にもよるだろう。



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by papasanmazan | 2015-08-27 00:15 | 風景画 | Comments(2)

松とモデーヌの村遠望

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F10号の大きさの風景画で主題は松の木の林である、最初に眼をひいたのが松の幹のそれぞれの形の面白さであった。頭の中で考えてもなかなか思いつかないような変化が自然の中に時としてみられることがある。思わずハッとさせられるのだが、よくその時に何が自分をひきつけているのかを吟味しておかなければならない。そうしないと制作の途中で明確な考えがなくなってしまって行き詰まってしまうようなことがたびたびある。

この制作の場合でも木の幹という主題があって、その派生として松の緑や畑の柔らかい色、そしてこれも絵を構成する大きな要素の一つになってくる奥に見えるモデーヌの村の点在するオレンジの家々などが次々に構想をふくらませてくれるのである。モデーヌの村を遠望したところなどは特にモデ-ヌに固執するわけではないのだが、たまたまこの実景の中に存在したということで、必要なものはその色、特に赤系統の色がほしかったのである。

描き込むのはやはり松の群生のあたりで、特に向こうに透けて見える明るく’小さな家などに気をつけながらヴァルールをあげていった。遠景などは出来るだけ数少ない筆触で表すようにしてみた作品である。



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by papasanmazan | 2015-08-25 03:16 | 風景画 | Comments(2)

二つの梨

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梨のさわやかな緑色と赤い線の模様の布を使って見た目には単純な構成の静物画を描いてみた。F0号の小さな絵である。赤と緑の強い対比を布の白で押さえてみたのだが、それだけではやはり描く気持ちがおさまらず、動きをつけるということに重点をおいてみた。

小さな画面にあまり必要以上のことを盛り込むのはただうるささを増すだけで、見た目にはスッキリさせながら出来るだけ要点の密度を上げていくというのがいつも考えているところである。この絵の場合右の梨の左下部と布の赤い線とが接するあたりが密度の細かくなるところである。

それだけではなく要所要所それなりに描き込んでいるが、アッサリとさせるところはおおずかみにすすめたつもりである。



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by papasanmazan | 2015-08-23 21:32 | 小さな絵 | Comments(0)

オリーブとアーモンドの木

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プロヴァンスのいたるところにオリ-ブの木がある。麦やブドウの畑に混じってオリーブの畑も緑の豊富さを風景に与えてくれる。日本では小豆島あたりがオリーブを描く画家たちの集まり場所だが、プロヴァンスだとどこでも描けそうである。そういいながらこの三年程はオリーブの画題から離れていた。

一つにはもっと構成的に対比の強いものを求めていたからかもしれないし、また端的に言ってオリーブのあの色彩はやはり難しいからでもあろうか、なんとなくモデーヌの村近くのいつも制作するオリーブ畑と疎遠になっていた。今年になってこの場所での制作を再び始めたのだが、何となくそのオリーブを描くコツが分かったような気がしたのである。

オリーブの葉っぱや、その全体の丸みを描写するのにとにかくあまり描き込んでいかないようにすること、出来るだけ数少ない色数と筆触で現してしまうこと、これを心がけようと思ったのである。

ちょうどアーモンドの木が横に立っている小さなオリーブの群れをみつけたのでP10号のキャンバスに描いてみた。



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by papasanmazan | 2015-08-17 19:46 | 風景画 | Comments(2)

梨とネクタリン

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南フランスの夏はことに果物と野菜が豊富である。種類も多く値段も安く、おまけに新鮮で、どれを食べても美味である。マザン近くが本場のメロンももうすぐ終わろうとしているが、この頃では一つ1ユーロ位で毎夕食にメロンハムが前菜に出てくる。今年の夏は記録的な暑さが続いたためにブドウの取り入れもはやく、市場にはおいしそうな房が並び始めている。我が家の庭のぶどうもそろそろ摘み始める頃になって来た。

今年の果物では特にアブリコットがおいしかったように思う。いつもは静物画のモチーフにアブリコットをよく使うのだが、おいしさが先に立ってしまってかわりのモチーフにネクタリンを選んでみた。あわせるのはこれもよく描く西洋梨である。特に私はこの梨の形が好きで、今年もまだまだ描くつもりである。

グリーンの模様の布を背景にして果物を描いたF4号の油彩である。




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by papasanmazan | 2015-08-10 15:20 | 静物画 | Comments(0)

橙土の坂

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今から三十年ほど前になるが、三重県の鬼ケ城を訪れたことがあって大変に描いてみたいと思ったことがある。具体的にどういったものになるかというのは分からなかったが、なんとなくオレンジとブルーの色彩が散らばって岩の面を構成し、その総合で洞窟めいたものが出来ないだろうかと想像していた。おそらく相当抽象的な表現を考えていたのだろうが絵画技術もまだ巧くなかったし具体的な画面も思い浮かばずとうとう夢物語に終わってしまった。しかしその時の描いてみたいという衝撃はその後三十年忘れられなかった。

パリ近郊に住むことになり、また南フランスに居を変えてから、たとえばルシオンの赤土を見た時などから何かを思い出し始めたのである。徐々にそういった黄土や赤土などの地質に慣れ出してからようやくみつけだしたのがこのP10号、縦型の橙土の坂である。

これこそ三十年前に自分がしてみたいと思った画面の構成である。日本の三重県の景色と南フランスの名もないような森の片隅の風景との違いはあっても絵画上の表現欲求は全く同じものである。実に自分が探し求めていたものをようやく探り当てたといっていい出来上がりになった。面と面とがぶつかり合い、色彩と色彩が引っ張り合ったり重なったりしてエネルギーの調和を見つけていくような絵画、これはこのあとの制作に一つの指針を与えてくれたように思う。



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by papasanmazan | 2015-08-03 00:37 | 風景画 | Comments(2)