<   2015年 03月 ( 8 )   > この月の画像一覧

街道の松

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ベドワンという村のあたりは街道沿いの松がきれいである。背の高い松が遠くからでも、近くからでも絵のように並んでいて、いつも目を楽しませてくれる。時々この松を描きたくなるのである。今回はP25号にとりわけクローズアップされたような三本の松に焦点を当てて描いてみた。

しかしながらこの辺りの松も何年か前のほうが元気があって、美しかったように思う。最近はとみに交通量も増えてきたのが原因なのだろうか、あちこちで環境の破壊を感じるようになってきた。なさけないような感じが南仏にまで及んでいる。

パリでも大気汚染ががすすんで、視野まで悪くなってきているというので、先日も車の量を規制するために、隔日に奇数と偶数のプレートナンバーに分けて乗り入れを制限していたニュースがあったが、効果は大いにあがったようである。結局は人間のエゴが世界をだめにしているとしか思いようがない。本当の自然がどれだけ有り難いものなのかを、それこそ自然の中で学ぶべきだと思う。



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by papasanmazan | 2015-03-31 19:11 | 風景画 | Comments(2)

少女像の静物

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昨年の秋、マザンの村で毎年恒例のガレージセールがあった。一般の人や商売人などたくさんの店が出てなかなか賑わうのだが、あまり買い物に興味もなく、たいていはクズみたいなものばかりだとタカをくくっているので、本腰を入れて何かを探したり、趣味のものをあさったりすることはない。ただ時々は何か絵のモチーフになるようなものはないかしらとそぞろ歩きする程度である。

ただ前からひそかに探していたのは小さな彫刻で、絵の卓上静物に使えるようなものだった。これは簡単に見つかるだろうと思っていたのだが、なかなかそうはいかない。大抵はおもちゃのようなものとか、商売人が馬鹿みたいな高い値をつけていたりする。先程もいったようにクズみたいなものでさえ高値がついている。まるで落語にでてくる義経が小野小町にあてた恋文、とか弁慶が使ったオマル、といった類いのものが結構な値で売られているのである。

そんな中で運良く昨年はちょうど探していたような少女の像をみつけ、大きさもちょうど良く、値段もこちらの思うところまでマケさせれたので戦利品としてこの彫刻を買ったのであ
る。F12号の油絵にしてみた。




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by papasanmazan | 2015-03-27 21:33 | 静物画 | Comments(0)

たそがれのヴァントゥー山

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冬の夕暮れ時のヴァントゥー山は茜色に染まってことのほかきれいである。厳密にいうと日没のほんの少し前、十五分位の間がいちばんの見頃である。今までもこれを描こうと何度も挑戦してみたがなかなか思うようなものが出来なかった。

今年はP15号のキャンバスに描いてみた。充分に描き込んだつもりではあるがまだまだ表現には至っていないかもしれない。大変に難しい題材ではあるが、またいずれかのときに違ったものが出来上がる可能性も残っていそうである。今の感じとしては満足できる所まできたと判断した。おそらく理解してもらいにくい作品だろうと思う。



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by papasanmazan | 2015-03-24 04:14 | 風景画 | Comments(2)

ピッコロと果物

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今まで楽器をモチ−フに使った静物画を何点か描いてきたが、新たにフルートとピッコロを手に入れた。あこがれがあるのか演奏も出来ないし、楽譜すら読めないのではあるがとにかく楽器は好きである。ただ、あまり趣味的に陥っても具合が悪かろうというので、楽器だけの取り合わせではなく今回はリンゴとレモンの果物を添えてF4号のキャンバスにピッコロを登場させてみた。

大きさからいってもちょうどこの位の作品でいいと思う。ちなみにフルートというものはもう少し短いものだと思い込んでいたが、クラリネットやトランペットと長さはほとんど変わらない。はじめはフルート、ピッコロの取り合わせを考えていたのだが、これはまた別の機会に、もう少し大掛かりな静物にもちこんでいこうと思っている。

構図的にはピッコロの細長い性質を斜めにおいて画面の安定と、動きを計り、それに逆らうような果物や皿の面の動きを作ってみた。たとえばこういう場合、ピッコロを画面の中で水平や垂直に置くわけにはいかない。それでまずピッコロの置き方を工夫してみるわけである、それから引っ張りだしてその他の構成物の置き方を考えていく、そしてある程度の計算が出来上がった所で全体としての様相を再び検討していく。そこには線や面、色彩の問題など様々に自分の感覚を試していく余地がある。



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by papasanmazan | 2015-03-18 16:22 | 静物画 | Comments(2)

山麓の村

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若い頃、倉敷の大原美術館で藤島武二の耕到天、耕して天に到るという油絵の作品を見て、大胆な平面描写に魅かれた思い出がある。山峡の限られた土地を上に、上にと耕していって畑が重なってやがて天にも到ろうか、という人間労働の勤勉さの結果を一つの絵画に表した作品で、ゴーギャンをも彷彿させるような画期的な表現である。

よく風景を眺めていて、こんな所まで畑を作っているのだなと感心させられることがある。フランスではいたるところ麦畑とぶどう畑の織りなすピトレスクに眼を奪われるが、南フランスでは七月のラヴェンダー畑も一つの魅力である。紫の絨毯を敷き詰めたような風景、所によってはそのお隣に黄色いひまわり畑が相まって、色彩の対比で眼がくらみそうな鮮やかさである。

我が家からほど近いヴァントゥー山の麓の村にも山腹に向かって畑が広がっている。ここにも人の労働の賜物が画家にモチーフを与えてくれている。F4号の油彩である。



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by papasanmazan | 2015-03-11 22:10 | 風景画 | Comments(2)

ヴナスクの教会

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ヴナスクの村に向かう坂を登りつめると村の入り口に教会がある。それほど大きくはないがカッチリとした建物である。もちろん石造りで、日本の木造の寺や神社とは違った文化がそこに根付いている。キリスト教に関心がなくても教会という建物に興味を持ってヨーロッパなどを見て廻る人も多いようだ。そういった意味では教会だけではなく修道院やその他の歴史的な遺産をフランスはよく維持していると思う。

首都パリにしても現代の要素と、歴史的な建物などが上手く共存するように計られている。初めの頃は少し違和感があったルーブル美術館の新しいガラス張りのピラミッドも今ではすっかり落ち着いて見えるようになってきた。コンコルド広場から凱旋門をとおして見る新しい副都心構想のデファンスなども既に一つの生活圏になっているのだろう。

そういいながらもここ南フランスの村々はやはり古いたたずまいが魅力である。ヴナスクもフランスの美しい村の一つにあげられているが、どの村にとっても教会はいまだになくてはならない村の中心である。F10号の油彩である。


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by papasanmazan | 2015-03-09 19:28 | 風景画 | Comments(4)

シオタの海

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カシィの海と同時に描いたシオタの海である。同じ地中海を描いた隣どうしの町ではあるがやはり絵にすると表情が違ってくる。松林におおわれた海岸沿いに赤い屋根や黄色や白のまばゆいようなシャレた家が建ち並んでいるシオタ、その向こうには特色のある岩をかかえた地中海が広がっている。海の色もエメラルドをたたえて美しい。見ていて穏やかな風景である。カシィの切り立った岩場から見おろした景色とは描いていても気分まで違ってくる。

地中海のひろがリは現実としてよく分かっているのだが、ここでは面を立ったように扱って平面性を強めてみたかった。色彩の力だけで海と海岸からこちらに続く陸地との差を現しながら全体としては平面を感じさせてみたかった。現実とは違った世界ではあるが絵画の中では意味のある世界である。同一平面の中に奥行きを表していくわけで、いってみればその作品を観ている時に手のひらで上から下へとなでていくような錯覚が与えられれば成功しているといえるのかもしれない。よくパントマイムで壁に閉じ込められている演者が手のひらで壁があるのを確かめている、あの手つきを思い浮かべてもらえればいい。

こういった触覚は大切なものだと思う。絵画にはマチエールと言って、絵肌とでも言ったらいいのだろうか、その画家独特の表現がある。たとえばルノワールのようなおつゆ描きとよばれる薄塗りの絵肌や、ルオーのような盛り上がった厚塗りなどさまざまである。そういった絵肌による触覚もあるが、また平面と言った意味での触覚もある。私個人としてはヴェラスケスの宮廷の侍女たち(ラス、メニナス)の絵などは深い空間を表しながら、大変現代的な平面性をも感ずるのである。

F12号油彩作品である。


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by papasanmazan | 2015-03-05 01:06 | 風景画 | Comments(2)

バルーの農家

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この農家には思い出がある。十年以上も前に南フランスに越してきて。あちこち見回っているうちにこのバルーの農家にもめぐりあった。しばらくしてからこの農家やその周りの風景をよく描くようになったのだが、ある日その農家の前にイーゼルを立てていると、一人の男性が何をしているのかとのぞきにきた。しばらく話をしていたのだが、その人はその近くの畑の持ち主で、実はこの農家は今は無人で売りに出ている、どうにかこの家を買いたいのだが、売値は大して高くないのだが改築して人が住めるようにするのに費用が相当にかかる、というようなことだった。

その人はけっきょく買わなかったようで、違った人がそれこそ相当な改修費だったと思うが、今は見違えるようなプロヴァンス風の農家に仕上げて住んでいるようである。家の門なども立派になって、もちろん以前のようには自由に中に入れなくなっている。

その農家はそういった訳で近くからは描けなくなったが、少し離れた小高い丘から見おろして描ける場所を見つけた。それがこのF15号の油彩画である。遠くにキャロンの町が見え、その奥にマザンの丘なども望んでいる。



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by papasanmazan | 2015-03-03 19:28 | 風景画 | Comments(0)