カテゴリ:小さな絵( 40 )

新しいマザン





F4号に描いたマザンの教会を先日このブログに投稿したばかりだが、同じくこの景色をもっと切り詰めてF0号の小さなキャンバスにおさめてみた。描いている場所は少し違って、道一つ隔ててもっと低いところである。視点が変わると表現の意欲も変わってくる。

そういうことは当然なのだろうがやはり新鮮さというのは大切なものである。前のF4号のものより締まった気持ちでこのF0号に取り組めた。見ている側からすればたいした変化があるようには思えないかもしれないが、描く者からするとこのちょっとした違いというものが重要事になってくる。

よく書籍などで縮刷版とかダイジェスト版とかいうものがあって、苦労して一大作品を読まなくても全編が分かるような仕組みの本がある。便利といえば便利かもしれないがそういった切り詰め方は絵画では不可能である。画面の大きさが変わればおのずと描かれた内容も違ってくる、そういう表現にならなければいけないと思う。単に縮小しただけのものではないのである。

トインビーの歴史の研究という本は縮刷版より完訳版のほうがずっと面白いと思う。


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by papasanmazan | 2017-09-13 06:49 | 小さな絵 | Comments(0)

パスワールとネクタリン



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パスワールつまり茶漉し器である。日本茶には使ったこともなく、形の面白さからただ静物画のモチーフとしてだけ使っている。あまり大きくはないので4号位までのキャンバスには上手くおさまってくれる。今回は三つのネクタリンと合わせてサムホールの作品にしてみた。

茶漉しの部分が動かせて、角度をつけることが出来るので、少しわざとらしくはなるが手前に傾けてみた。金属と果物の赤との対比はやはり描きどころになる。ただ三つのネクタリンをどういう配置にするかが考えどころであった。本来なら二つのネクタリンのほうが安定がいいのかもしれないが、あえてパスワールに接した一つを加えて変化を与えてみようとの意図である。

背景の複雑な模様の布も気に入ったものである。


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by papasanmazan | 2017-09-11 06:56 | 小さな絵 | Comments(2)

梨の静物

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テーブルに梨を三つ置いた構成で小さな油彩を考えてみた。背景として梨の薄い緑色の補色として橙色の布を選んでみる。細かい柄が入っていてあまりに橙色のきついのをやわらげてくれる。布の模様だけではなく大きなしわを作っているようなところも構成の一つになる。
静物画の楽しみはこういった選択や、自分の考えを表面的にも出していけるところである。逆に言うとその構成の方法が単純すぎたり、また複雑すぎたりして、描いていく技術と相いれないことが出てきたりもする、その難しさである。
モチーフに関しては常にアンテナをはっておくほうがいい。この橙色の布もずっと以前に見つけたものだが、なんとなく小さな静物画に使えそうな気がしていたものである。梨の色彩によくあってくれた。サムホールの小さな画面である。




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by papasanmazan | 2017-07-26 17:51 | 小さな絵 | Comments(2)

丘の農家

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大きな笠松と農家をP6号の大きさの油彩画に完成させてみたが、この農家がなかなか気に入っている。ほんの小さな丘の上にあるのだが,ガッチリとした骨組みの石造りの家で、飾り気はないが構成的な感じがする。こういう建物が好きである。

もう少し右から見ても。またうんと左側から見ても、距離をとって正面的に扱っても絵になると思って観察していた。今回は小さなサムホールのキャンバスに建物を主体にして描いてみた。

おそらく丘になっている地面の傾きと構造がはっきりしている建物の関係が自分の造型的な感覚とよく合致するのだろう、大変に仕事がしやすいし、よくはかどっていく。描いていて時間の経つのも忘れるくらいに面白い仕事である。

サムホールの大きさ(227×158cm)以上の強さが出ていれば成功だといえるだろう。



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by papasanmazan | 2017-07-04 03:46 | 小さな絵 | Comments(2)

ヴァントゥー山と丘の小屋

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小さなF0 号の油彩である。大きなヴァントゥー山を背景に丘の中腹にポツンと小さな小屋が建っている。人が住んでいるのでもなく、何かを置いているような様子もない。その小屋のあたりに人の気配もないのでいったい何のための建物かも分からない。しかし捨て置かれているにしては屋根も壁もきれいな色をしている。

ちょっともったいないような気もするので絵の題材にさせてもらった。大きな自然の中にある小さな小屋をキャンバスの規格としては一番小さなF0号に描いたのである。こうした大きな世界をうんと小さな画面に現すというのも一つの面白さである。

絵画の制作では画面の大きさを選ぶということが大変難しく、重要な要素になる。ただなんとなく描き始めるのではなく、この大きさで、こういう感じで仕事を進める、ということがはっきりしてからとりかかなければならない。そのあたりがアイマイだと仕事の完成まで何か引っかかったような制作になってしまう。



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by papasanmazan | 2017-06-06 03:22 | 小さな絵 | Comments(2)

サクランボの花の頃のマザン

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アーモンドの花に替わってサクランボの花が満開である。ちょっと外に出てみればあちこちの風景が白い花で彩られている。なんとなく眠いときに車で出かけるとハッと幻想的な雰囲気に包まれそうである。果樹園だけではなく町や村の家々の庭でも白い花がみかけられる。

マザンの村をとりまいている田園風景でもサクランボの花が今年はとりわけ白さが目について、教会や村の建物を遠望した構図によく映えたアクセントとしてこの白い花を取り入れてみた。いつもはパステルでこういった風景を描くが、今年は油彩にしてみた。サムホールの小さな画面である。

建物全体の色調と白い花の対比を考えている。花の群れが占める面積の中に垣間見える建物などの色が奥行きを表わすのにちょうどいい部分になって、それと教会などの色調が合わさって全体感が作られていく。

今年は例年よりも少し早い春の到来である。


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by papasanmazan | 2017-03-31 16:07 | 小さな絵 | Comments(2)

皿と二つのリンゴ

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小さな画面も大きな画面もおのおのがその中に持つ世界は、世界という意味において等価である。小さなスミレの花も大きなひまわりの花も美しさという意味では等価である。

F0号の小さなキャンバスにできるだけの大きさを盛り込みたいとの思いで白い皿の上にリンゴを二つ置いて描いてみた。テーブルには深い緑と黄色を組み合わせた模様の布を敷いている。

このような小さな制作品ではあるがどうにかして自分で納得のいく存在感が出したいと思っている。静物画だけにかぎらず風景画でも根の生えたような表現がしてみたいのである。あるいは美しくなくなるかもしれない危険をおかしてでもそういった存在感に挑戦したい。


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by papasanmazan | 2017-03-11 00:04 | 小さな絵 | Comments(0)

レ・ボーの白樺の木

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この冬、P12号のオリーブ畑からのレ・ボーの要塞を描いている時にイーゼルを立てているのが大きな白樺の木の横だった。プロヴァンスに特有のミストラルに見舞われると戸外で絵を描いていても吹き飛ばされそうなことがある。経験を積んでくるとおのずとミストラル対策も分かって来て、まず姿勢を低くすること、そのためにいつも立って描いていたのが椅子に座って描くようにもなった。制作の途中で後ろに退がって画面全体を大きく確かめるのが癖になっている私はいつも立って描くのが習慣だった。そのほうが体も自由で楽な感じしていたのだがそれを座って描くようにした当初は随分不自由な感じがしたものである。最近は場所によって座ったり立ったり、まさか寝転ぶこともないのだが、かなり制作の方法も変わって来た。


それからミストラルの強く吹く時には何か大きな風よけになるようなものの横で描くことである。例えばこの大きな白樺の木の横などでは風もかなり避けられるし、イーゼルをその木に縛りつけるとかなり安定して来て描き易くなる。あれやこれやとそれなりの対策が必要である。


そういったわけでこの白樺の木を見つけたのであるが今度はこの木を絵に取り入れてみようと思いついた。それでだんだんと後ずさりしながらレ・ボーの要塞と白樺とを組み合わせておさめられる場所を探し出したのである。これはかなり離れた場所になる。前のP12号は立って描いたのだが今度は小さなサムホール(22、7×15、8㎝)のキャンバスで、イーゼルをブドウの木に縛って、座って描いたものである。この白樺の木も大きいし要塞も強く、荒々しく、大きな岩山の塊であるから構図としてはおさまり難いものなのだが、かえって小さなキャンバスにしたほうが面白そうだった。


昨年までレ・ボーを制作していた場所から今年はかなり離れた場所に移動して描いている。雄大な景色が展開して、またオリーブも全体的な色彩として感じられるのでなかなか気に入った場所になっている。



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by papasanmazan | 2017-02-25 01:13 | 小さな絵 | Comments(2)

糸杉と農家

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規格サイズとしては一番小さいF0号(180×140㎜)のキャンバスに家の近くの畑の中にある糸杉と農家を描いてみた。このようなごくありふれた風景を探し求めている。何でもない平凡な風景だがイザ探してみると案外少ないものだ。小さな画面にどこといって特徴もない風景を描きながら、そこに強い存在感と奥の深さを表わしてみたいというのがこの二、三年来思っているところである。


飾りのない実直なものといったらいいのだろうか、とにかく表面的な美しさを排したい。そうかといってやはり芸術としての存在であるから決して現実の風景を写すわけではない。このあたりがなかなか難しい制作の実際のところである。


昭和の初期、文楽の太夫で名人といわれた三世竹本津太夫の話である。ある時津太夫の家で、綱太夫、若太夫の二人に稽古をつけたそうである。二人が語っているのを実に細かいところまでなおしてくれる、稽古が終わって帰りに二人が、舞台で語る時の津太夫は実に大まかなのに稽古を付けてもらうと全然違った細かさで、二人は不思議がった、ということである。三世の実子、四世津太夫のいうには、親父は結局何もかも分かっていて、それでもって舞台では大まかな浄瑠璃を語った、ということである。もう一つ付け加えると、三世は、浄瑠璃を語るのに、つくったらアカン、とよくいったそうである。


絵の制作も、つくったらアカン、ということをよく覚えておかなければいけない、と若い時に思ったことがある、今でも忘れずにいる。




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by papasanmazan | 2017-02-18 22:12 | 小さな絵 | Comments(0)

のこぎり山とぶどう畑

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家から歩いて二、三分ののこぎり山と手前にひろがるぶどう畑の景色である。サムホールの小さなキャンバスにまとめてみた。実景は色彩も鮮やかで、広がりもあって魅力に富んでいるが、さて小さな画面にするにはポイントのつかみにくい制作になった。

奥行きがなかなか表れてこないので困った。以前なら何度も現場で色彩の調節を繰り返して、少し重くなったヴァルールでもって自分を納得させていたが、ようやく最近では同じ現場で描きながらも、画面の感覚ということを優先させながら制作を進めることが出来るようになってきた。結果的には絵に軽みがでてきたように思う。

決して手軽な、安易な意味での軽みと言うことではないと思っている。前にも増して制作の自覚がはっきりしてきている、ということなのだろう


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by papasanmazan | 2016-08-11 16:25 | 小さな絵 | Comments(2)