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冬のヴァントゥー山と白樺林





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芭蕉の発句も難しいが連句となるとなかなかとっつきにくく、大変に好きなのだが時間をかけて少しづつ慣れるようにしている。最近はそれでもかなり面白さが分かってきたようである。そのなかでも芭蕉七部集の幸田露伴の評釈が大変に勉強に役立ってくれる。今秋の一時帰国した折に日本から持ち帰った本のなかにつめていたものである。七部集のそれぞれの名前もいいが、今の季節を踏まえて〔冬の日〕をよく読んでいる。


それを特に意識したわけでもないが冬の日のヴァントゥー山と、手前に広がる白樺の林を構成材料にしてF8号のキャンバスに描いてみた風景画がこれである。いままではなんとなく白樺の木や林などを描く時に硬くなっていた腕が最近はようやく自由さを得てきたようで、軽く、楽しみながら画面に溶け込ませるようになってきた。木の幹の白さにこだわりすぎていたのであろうか,木や林全体を一つの要素に考えていくと急に色面としての役割が強まったようである。


別に読書が自分の仕事の絵画に特別に役立つのかどうかは分からないが、趣味としては音楽を聴くのとともに本を読むのも大変に好きである。




by papasanmazan | 2017-12-25 02:29 | 風景画 | Comments(2)
Commented by みみずく at 2017-12-28 21:02 x
画伯の作品を長年拝見しているとその心の内が見えてくる気がする。当初は対象と生真面目に向き合い、高みに向かってひたすら描き続けておられた感じがして、それはそれで素晴らしく作品に見入っていた。最近の作品を拝見していると、そんな気負いが消え対象と戯れるかのようなゆとりさえ感じられる。先人たちが描いた名画のように、画伯もいよいよその域に足を踏み入れられた感じがして、これからが楽しみでならない。
Commented by papasanmazan at 2017-12-29 22:42
みみずく さん、、年齢を経てだんだんとその本来の道に戻っていく、そういった老子の教えが近頃良く分かってきました。書で言えば楷書が行書になったようなものかもしれませんが、あくまで楷書は大切だと思います、雪舟などは最後まで骨太な、力強い創造的楷書だと思います、たとえそれが破墨の山水でもそれが感じられます。
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