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カシィ風景

カシィ風景_c0236929_1891414.jpg


シオタのモービルホームはなかなか快適で、一週間、制作の後はゆっくりとヴァカンス気分であった。午前はシオタで、午後はカシィでそれぞれのアングルで地中海に面する観光の村を描いたのだが、このカシィのぶんはP10号、春にはF15号にすでに一枚描いているがそれよりももう少し低いところ、視界の開けている場所にイーゼルを立てて制作したものである。

ここも下を見れば吸い込まれそうな断崖絶壁で、立て看板に落ちる危険ありと記されている。しかし柵や網が張られているわけでもなく描いていても余り安心できないようなところである。ただ風景は全くの美しさである。

手前の部分に樹木や岩のような視界をさえぎるるものをとりいれずにただカシィの半島と海、空だけの単純な構成にしてみた作品だが、広がりは出たように思う。こういったあまり手の込んだような構図をさけて、出来るだけ表現の端的さを前面に押し出すようにこれからは努力すべきだと思う。いかにもこれは絵だ、ということは第一義的なものをおろそかにするような気がしてならないのである。


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by papasanmazan | 2015-09-29 17:59 | 風景画 | Comments(2)
Commented by ono7919 at 2015-10-01 15:19 x
春の作品よりこちらの方が安定しているせいか、安心して画面に入り込んでいけます。鏡のように広がる青い海も画伯独特の色彩で表現され、調和のとれた美しさに見とれます。先のシオタとは又違った広がりのある作品で素晴らしいです。
Commented by papasanmazan at 2015-10-03 08:56
ono7919さん、こういう構図をとると自ずと雪舟の天橋立図を思い出してしまいます。現在の京都の博物館は以前よりも整備されたのかもしれませんが、私の若い頃、何気なく常設されていたこの図を半日以上見入っていた頃が懐かしいです。絵画を観賞するということがもっと教養ということの一つに考えられているのは何とも寂しく、浅はかな話のような気がします。
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