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白い岩と山と松

白い岩と山と松_c0236929_2224065.jpg



粘度質で急勾配の細い道をゆっくり、ゆっくり車で上がるとモルモワロンの村を一望できる見晴らしのいい場所につきあたる。白い岩を切り出した跡があって、いたるところが絵になりそうである。ただ雨の日などは道がぬかってとても通れたものではなく,車なども四輪駆動がようやく登っているくらいのところである。

晴れた日には目の前に大きなヴァントゥー山が対面している。プロヴァンスの野も美しいアラベスクで下に広がっている、それやこれや眼につく物を取り混ぜた一枚の作品が出来上がったところである。F12号のキャンバスに描いた油絵で,春の終わり頃から続けていたが、雨の日,風の日に遮られてようやく完成した。

狙いは松の木の高さと平野の横の広がりの対比にあるが、もちろんヴァントゥー山の容積も大切である。しかしなにもかにもを説明していくとただうるさいだけのものになる。今回はとくに山のヴォリュームはあえて無視することにして出来るだけ画面全体の中に溶かし込むような感じでとらえていった。結果的には当然線的な要素が重要になったのである。

松や白い岩は普通の手順で空間を狙って描いてみた。ここは普段は風のここちもよく、一抹のさわやかさが作品に出ていれば有り難いと思う。



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by papasanmazan | 2015-06-18 22:21 | 風景画 | Comments(2)
Commented by みみずく at 2015-06-20 11:17 x
画面を開いた途端「モナリザ」の絵が脳裏に浮かんだ。自分でもどうしてだかわからないが、この作品から受ける無限の広がりと精神の高揚を感じるからだろうか。実は昔 ルーブルで初めてモナリザを見た時は、こんな小さな絵?と云うのが第一印象だったが・・・現代の作品を見ることによって過去の作品の良さが見えてくる。この作品はそんな事を感じさせてくれる作品だ。このブログを拝見していて本当に良かった!ありがとう・・・
Commented by papasanmazan at 2015-06-20 21:08
みみずくさん、こちらこそいつも観ていただき,ご意見も聞かせてもらって有り難うございます。モナリザなどの言葉でいささか面映げな気持ちです。絵の精髄はモナリザだと常に考えています。この絵だけでも一生分、観続けるだけの値打ちがあると確信しています。それだけに学べる物も多いはずです。
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