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ピッコロと果物

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今まで楽器をモチ−フに使った静物画を何点か描いてきたが、新たにフルートとピッコロを手に入れた。あこがれがあるのか演奏も出来ないし、楽譜すら読めないのではあるがとにかく楽器は好きである。ただ、あまり趣味的に陥っても具合が悪かろうというので、楽器だけの取り合わせではなく今回はリンゴとレモンの果物を添えてF4号のキャンバスにピッコロを登場させてみた。

大きさからいってもちょうどこの位の作品でいいと思う。ちなみにフルートというものはもう少し短いものだと思い込んでいたが、クラリネットやトランペットと長さはほとんど変わらない。はじめはフルート、ピッコロの取り合わせを考えていたのだが、これはまた別の機会に、もう少し大掛かりな静物にもちこんでいこうと思っている。

構図的にはピッコロの細長い性質を斜めにおいて画面の安定と、動きを計り、それに逆らうような果物や皿の面の動きを作ってみた。たとえばこういう場合、ピッコロを画面の中で水平や垂直に置くわけにはいかない。それでまずピッコロの置き方を工夫してみるわけである、それから引っ張りだしてその他の構成物の置き方を考えていく、そしてある程度の計算が出来上がった所で全体としての様相を再び検討していく。そこには線や面、色彩の問題など様々に自分の感覚を試していく余地がある。



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by papasanmazan | 2015-03-18 16:22 | 静物画 | Comments(2)
Commented by ono7919 at 2015-03-19 19:31 x
いつも勉強させていただいています。モチーフの取り合わせやキャンバスのサイズなど、結構難しくセンスが試されるようで苦労します。画伯の楽器シリーズはいいですね! セザンヌによるとモチーフに良いも悪いも無く色や形の関係を極めることらしいですが、やはり絵心をそそる材料がいいな~
Commented by papasanmazan at 2015-03-22 17:24
ono7919さん、モチーフの選択は難しいものだと思います。例えば風景を見て美しいからといって、自分の中の作画要因となるとは限りません。モチーフというのはモデルといった意味だけではなく、導調要因、つまり調子を導きだす接点というふうに捕らえる画家もいるわけです。セザンヌは戸外に写生にいくときには、さあ絵を描きにいこうとはいわずに、さあモチーフにいこう、といったそうです。これは大変に重要な考えどころだと思います、ちなみにゴーキャンは、さあセザンヌにいこう、といったそうです。ゴーギャンがいかにセザンヌを理解していたかがわかる言葉です。
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