1週間カランクに来て制作をしている。
天候がもう一つおもわしくないのだが、午前・午後と分けてシオタ(La Ciotat)とカシ(Cassis)の海を描いている。 海景を描くのは随分久しぶりで、30才代の時に博多の海を描いて以来である。
特にカシの海の制作は断崖絶壁のぎりぎりのところで制作しているのだが、そこに立てられている看板にも危険、崖がら転落注意と警告されている場所である。絵筆を持ってキャンバスに向かっている間は何も感じないのだが、後ろに下がって画面を確かめようとすると、急に周りの視界が目に入って、思わず真っ逆さまに転落しそうな錯覚にとらわれて、急に足がすくんだり、心臓がキュと締め付けられたりの悪戦苦闘である。