人気ブログランキング | 話題のタグを見る

楽器と人形(第一段階)

楽器と人形(第一段階)_c0236929_1850849.jpg


静物画のモチーフに楽器を取り入れる事が多いのは,音楽を聞くのも好きなこともあって楽器にあこがれがあるのと、楽器のもつメカニックな構成を画面上で表現してみたいからである。以前にも全く同じ角度でクラリネットとトランペットを卓上において,他にオレンジなどをあしらって静物を描いた事がある。その作品はまだ手元に置いて壁に飾っているが、それをもっと発展させてみたいと日頃から思っていた。

二つの楽器はそのままにして,その他の構成物がなかなかこれといったものが思い浮かばなかったのだが、ある日突然人形はどうだろうかと心づいた。その人形というのも南仏ゆかりのサントン人形である。ここまでくるともう画面が目の前に見えてくるようである。或る日,家内と一緒に骨董市にでかけて、そのサントン人形の気に入ったものを買い込んできた。あとは湯のみや布などのありふれたもので構成してみてP12号のキャンバスに描き始めてみた。

サントン人形は南仏の素朴な土製の人形で,キリスト降誕の場面、いわゆるクレッシュをあらわした人形の群像がそもそものいわれなのだが、それぞれ独立した人形としても売られていて、それらをコレクションしていく楽しみもある。サントン人形を専門に扱った店もあって、お客さんに個々の人形の役割や性格を説明しているフランス人の店主の姿をよく見かけたりする。

今度のこの静物画では横ののびをしめす楽器二つと,小さいながら縦の性格をもつ人形との対比がうまくかみ合うかどうかが問題になってくるだろう。

by papasanmazan | 2012-09-15 18:48 | 静物画 | Comments(0)
<< アルルの女(完成) アルルの女(第三段階) >>