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花とキリスト(完成)

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キリスト像を描こうとは思っていなかった。南仏に住む以前、パリ近郊のエポンヌに14年いたが,その時我が家の子どもが通っていた小学校の女の先生が,どうした拍子か私の絵のファンになってくれ、よくアトリエに訪ねてきていた。

その女性が祭壇用のマリア像を持っていて,一度頼んで貸してもらったことがある。それを鉛筆のデッサン、水彩、パステルとで描いたことがある。キリスト教には縁がなかったのだがそのマリア像をモチーフにした作品は気にいったものだった。

何年か前に家内がこのキリスト像を蚤の市で買い入れてきたのだが,家内の趣味としても最上のものだと思った。いずれ描こうとは思っていたのだがなかなか組み合わせが考えつかなかった。ゴッホがセザンヌの作品について人から質問を受けたときの返答に,あいかわらず聖龕職人のような仕事をしているよ、というのがある。

またゴーギャンもセザンヌについてセザール、フランクのように古風なオルガンを鳴らし続けている,というようなことを言っている。そんな聖龕職人のような,また古風なオルガンを鳴らすような仕事が現代にでも通用するのだろうか、ふとキリスト像を見つめながら頭をよぎった考えである。

by papasanmazan | 2012-03-08 17:51 | 静物画 | Comments(4)
Commented by nonno at 2012-03-10 14:58 x
色彩の祠でちょっとバツが悪そうに立っているキリスト像バックにハレルヤが鳴り響いています。先人をたどりながら、その仕事に自分を足し新しいものを作り上げていく、そんな仕事のモデルならキリスト像もきっと満足しておられることでしょう。
Commented by papasanmazan at 2012-03-10 16:44
nonnoさん、パリのノートルダムで聞いたバッハの音楽は忘れられません。あの高い空間に音が浮遊していて、西洋というものがこういうものかと思いました。
Commented by St-Didier at 2012-03-13 23:22
キリスト像と3種の花がみごとに同化していて、キリストのさりげない描かれ方に新しさを感じます。それでいて見ていると厳かで胸がキュンとなるような気がするのはキリスト効果でしょうか・・
Commented by papasanmazan at 2012-03-14 04:31
St-Didierさん、なにか今の世の中のつれなさなどをキリストのような慈愛でつつみこめないものでしょうかね。
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